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宣戦布告 「大丈夫か?」 「ああ」 ギルバートがイザーク戦死の報を受けたのは、レイの報告書に目を通している時だった。回廊をバタバタとうるさく走り抜ける音がして、乱暴に扉が開く音が遠くで聞こえた。ややあって現れたアデスの震える声が気になってしまって、肝心の事実についてはさほど衝撃はなかった。空気のようにパレスを管理する壮年の男にしては珍しい、抑揚を抑えられない声が耳について仕方がなかったのだ。 その時は。 「イザークと共に私の同胞も消えたよ」 ジワリと波が押し寄せてきたのは、随分と時間が経った後、日も暮れた夕暮れ時だった。東の空が紫に染まる、昼でも夜でもない幽鬼の時間。知人であり、研究所にいるはずのクルーゼが訪れたのだ。皇帝崩御から格段に増えた職務に忙殺され、中央や議会の役人達でさえ会うを憚られるほどの激務ぶりをこなしている最中。 皆が口にした無念の言葉さえも覚えていなかったと言うのに。 真実を知る彼に言われて始めて自覚できた。 アレを死に追いやったのは私だ。 ふらりとデスクから離れて、壁に掛けられていた肖像画の前に立つ。 直視できなかった。 「ここでお前が死んで、どうするっ・・・」 弟のアスランを殺してから、自分が皇帝の座につくことはないだろうと思っていた。大儀の下に理を犯す自分にはその資格がない。弟を葬り、父を弑逆し、国を欺いて民を死に追いやっている。 それでも良かったのだ。世に何と評されようと、帝国がこの地に残るのであれば。後はできの良い弟が治めてくれるだろうと、勝手な希望を抱いていた。だから、ここまで好き勝手にできたのかもしれない。 だが。 後を任せる者がいなくなってしまった。 残されたのは、何も知らない末弟が一人。 いつも泣き叫んでいるか、すやすやと眠っている姿が真っ先に浮かぶ弟。危険から遠ざけ、王宮に染み付いた企みや謀を隠して育てられた弟が自分の後を継ぐ。 あの、シン、が。 よく、真ん中の弟達の喧嘩の原因にもなっていた弟。 『笑った!?』 『僕を見て笑った! シンが笑った!』 『何をっ、今のは俺の方を見て笑ったんだ!?』 泣きやんでややぼんやりしていたシンが、覗き込む二人を見てニコッと笑う。まだ幼い弟達はシンが眠る位置には背が届かなくて、ギルバードが二人を両手に抱えて持ち上げてやっと覗き込むことができた。日に日に大きくなる弟達に、そろそろ腕が疲れてきたと思えば、そんな自分を余所にギャーギャーと言い合いを始める。 『いい加減なことを言うな!』 『そっちこそっ!』 庭に目をやればすっかり夜となった真っ暗な空間があるばかり。 もう二度と戻らないもの。 人とあまり親交を持たないギルバートにとって数少ない結びつきだった。それすらも次々に失って、一体、何を求めているのだろうと思う。帝国やそこに住まう民達にそこまでの想いがあるのだろうかと自問して見ても、答えは見つからない。 言うなれば、それは義務のようなものかも知れない。 父との約束、弟を犠牲にしてでも進むと決意した自分との約束のために生きているのかも知れなかった。 「結局、何もしてやれなかった」 「これからの会議で出陣を決めるのだろう?」 「それすらも利用するのだよ、私は」 第2王子を失って、帝国として何もしないわけにはいかない。 自分が感情に乏しい人間だと知っているつもりだった。だがしかし、こんなに悔しい思いをしたのも、自らに憤りを感じる自分を認識したのは初めてだった。 「殿下、召集のお時間でございます」 表面上は平静を取り戻したアデスが、ギルバートに時間を告げにやって来る。 雲海に消える夕日を追いかけるようにセイバートリィは西へと進んでいた。空に突き刺さった光の柱以降、両軍の睨みあいは距離を置き、半ば停戦した形となる。帝国の場合、弔い合戦を始めるには判断を仰がねばならない相手が帝都にいたし、連邦は連邦で切り札を失い、手持ちの艦隊でやりあうには分が悪すぎた。 両国の緩衝地帯に多大な飛空艇と飛行戦艦の残骸の影が大地に長く伸びる。 夕日は赤く、セイバートリィのコックピットも赤い光で染められていた。 戦闘は止まったのか。 戦争は終わったのか。 帝国軍の旗艦はどうなったのか。 乗っていたクルーはどうなったのか? 誰もが答えるまでもない答えを胸に秘め、そして、答えの欲しい問いについては誰も口に出せないまま、無言のフライトが続く。ラクスが心配気にシンを見やり、ヨウランやヴィーノはコックピット内のただならぬ雰囲気に視線を漂わせる。 ただ一人、雰囲気に飲まれなかったキラが凡庸にまず一つ目の問いを口にした。 「えっと、あのさ、どこに向かっているか分かる?」 「多分・・・」 キラが幾分小声でヨウランに尋ね、一瞬びっくりしたヨウランが指で指したのは、連邦の玄関口に当たる町だった。かつて、街中で追跡劇を繰り広げ、シンが苦い別れを経験した町。 ステラ・・・無事だろうか。 元気ならばそれだけでいい、いつかまた会えるかもしれない。 けれど、もう二度とそれが叶わない人がいる。 巡航速度のコックピッドで拳を握り締めた。 赤い瞳をさらに赤く染めて、キッと操縦する空賊を睨みつける。短く息を吸って、その挙動を周囲が見守る中、ようやく口を開いた。 「どういうことだよ」 返事はなく、ミーアの長い耳が少し揺れた。 飛空艇のエンジン音と風を切る音だけが続く。 「アンタ、何者なんだって聞いてるんだっ!!」 声と同時にパイロットシートが激しく揺れた。シンが思いっきり蹴ったのだ。ラクスやヨウラン達、キラまでも驚いた。殴りかかりそうな勢いのシンを、静かに立ち上がって振り向いたアレックスが、その瞳を射た。 まただ。 知らない人のようだと、シンは思った。 散々馬鹿にされた空賊でも、幼い頃慕っていた兄でもない。 夕日を映しこんだ瞳はエメラルドグリーンよりもずっと薄いイエローグリーンをしている。 「答えろよっ!」 「既に言ったはずだ」 「何だよ、それ! 自分の事、アスランだって言ったくせに! 」 「説明しろよ! アンタがッ アッ、アスランだって?!」 おろおろと視線を泳がせるのは、アレックスと同じ空賊でこの飛空艇のクルーであるヨウランとヴィーノ。 「じゃあ、アレックスってのは何だよっ。なんで今頃っ!」 顔を歪ませるアレックスに畳み掛けるシン。 「兄上があんな事になったのにっ!?」 今でも信じられない。信じられるわけがない。 あの兄が戦死してしまったなど。 油断すると、ヴォルテールが光と消えたあの瞬間が浮かぶ。目の前の空賊が言うとおり本当に「アスラン」なら、彼にとってもイザークは兄に当たるはずだ。それなのに、動揺しているのが自分だけに思えた、が。 シンはアレックスの表情に揺れを見つけた。 視線を逸らし、苦汁の眼差しが床に落ちる。 「ああ、そうさ! 俺の本当の名前はアスランで、ずっと名を偽ってきたんだっ!」 「なんでっ、どうしてっ!!」 唯一この悲しみを共有できる相手なのに、とてもそれ所じゃない。こんな心境では静かに祈りを捧げることもできやしない。シンは本当にどうしたらいいのか分からなかった。 いつものように半人前扱いして、軽口を叩いてくれてもいい。自分の至らなさを責めてくれてもよかった。それなのに目の前の彼はシンを突き放す。 「お前には関係ないっ!」 「んなわけあるかーーーっ!!」 勝手に手が動いた。 そんなのって、ない。 拳に衝撃が、腕を伝って痛みを感じた。 殴ってしまった。 アレックスは大人しく殴られてしまった。 止める者は居らず、ディアッカは完全に傍観者であり、キラが肩を竦めて零す。 「いい歳して兄弟喧嘩で怒鳴り合いに殴り合いなんて、子供だね」 手の甲で口の端を拭ってアレックスがシンを見つめる。 シンの鼓動は早く指の先が震えたままだった。何かとんでもないことをしてしまって、でも、どうすることもできなくて、息が上手く吸えない。 「お前の言うアスランとは何者だっ! プラント帝国の王子のことか」 目の前の男が吐き捨てるように言う。 「・・・っ!」 分かっているのに、それを突きつけないで欲しかった。アスランか?と聞いておきながら、肯定を期待しながら、頭では分かっているのだ。あの盛大な葬儀、設えた墓所、全てがもう過去の事。今更、死人は生き返らない。 シンはこの場にいられなくて、扉に激突しそうな程の勢いでコックピットを出て行った。 「・・・お、おい、シン!?」 追いかけるヨウランとヴィーノが出て行ったコックピットのドアが閉まると、さっきまでの怒鳴り合いが嘘のように、急激に静けさが襲う。 「殴られたのは逆効果だぜ、殿下」 「その名で呼ぶな」 ディアッカに間髪入れずにアスランが言う。 「はいはい。申し訳ない。でもさ、自分の気が済めばいいってもんじゃないだろ」 本人ですらまずかったと思っているのだろう。沈黙が降りる。 急に沈痛な空気に支配されて、ラクスがもう一人の当事者を気遣った。 「シンが心配ですわ。お兄様を亡くされて、その上・・・」 そう、殴ってしまったシンはここから出て行ってしまったのだ。 「・・・分かっているんだ、ディアッカ。俺が悪い」 口を閉ざした自虐に陥るアスランを見て、ミーアがディアッカを見た。その視線は無言の圧力となって彼を促した。 「あー、俺な訳ね。ったく、兄弟揃って人使い荒すぎだってーの」 ディアッカがシンを探しにコックピットを出て行くとまた一段と静かになった。残されたのは空賊二人とラクスにキラ。 「まさか君まで帝国の王子だったとはね。ホント、びっくり」 「本当なのですか?」 ずっと口に出せなかったのは彼女も同じだった。 幼い頃交わした約束の相手。 あの夜よりずっと冷静に口にしている自分がラクスには不思議だった。 「アスラン・ザラ・プラントは死んだんだ。ここにいるのはただのアスランで、君の婚約者だった男じゃないよ」 その言葉を再び聞いても、もう激情にかられることはなかった。 どこかでちゃんと分かっているのかも知れない。 もう彼と人生が交わることはない。 彼に寄せた想いは確かに今までの自分の中にあって、これからも消えるものではない。でも今はもっと周りのものが良く見えるようになっていた。自由に生きる空賊やアプリルのことだけじゃない、自分の回りにある出来事、物、そして、人。 「そうですわね。アスランはアスランですわ。ですからわたくしも、貴方の友人ですわ」 「・・・ありがとう」 途端に流れる優しい空気に、顔を顰めるものが一人。 「そういう会話、やめてよね。そう思わない、ミーアさん?」 「あら、焼きもち?」 ミーアが笑い、ラクスが微笑む。 キラが肩の力を抜いて、アスランに歩み寄った。 「いつまでしけた顔してんのさ。僕、お腹すいたんだよね」 「そうよ、アスラン。ねえ、『真の敵』って何かしら?」 心なし怖い二人に詰め寄られて、アスランは逃げ場のないパイロット席のシートに更に体を押し付けた。 シンはコックピットを飛び出した後、カーゴスペースに逃げ込んだ。小さな窓から茜色の空が差し込んでいる。遅れてヨウランとヴィーノがやって来て、数歩近づく。シンはそこから逃げるようなことはせず、二人の息が収まるのを待った。 「俺さ、3人兄上いたけど・・・上の2人の兄上達とは殆ど口も聞かなくて・・・いつも忙しそうだったし、ずっと雲の上のような存在だったんだ」 父も兄も皆優しかったけれど、本当の事を言った事はなかった。元老院との対立、アスランの死、イザークのアプリル行きも、いつも事実だけを聞かされた。 物心ついた時には、兄達はもう傍にいなかった。 政務に忙しい兄と、学問の道を進む兄、そして機械技術にのめり込む兄の3人はそれぞれ自分の道を進んでいるように見えた。すぐ上の兄とは4つも離れていたし、最初の頃はそれ程気にも留めなかったのだが、言われるままに勉強し、剣の指導を受けるうちに、なんとなく感じることができた。 俺って兄上達に必要とされていないかも。 特に優れた分野も興味のあることもなく、いつか、俺が帝国の役に立つことがあるのか? その証拠に、俺はずっと1人じゃないか。 時たま訪ねてくる3番目の兄が、こっそり王宮を連れ出してくれることが、シンにとっては唯一の繋がりのようなものだった。下の弟達の行動に目を光らせ、振り回されていた兄二人のことなどシンは知らないから、そう思ってしまったのも仕方がなかった。 懇意にしていた兄が死んで、学問を修めると思っていた兄が政務を担うようになると、シンはますます寂しさを感じた。広い帝都の中央で1人になってしまったのだ。そして、二人の兄のうち1人が遠く離れたアプリルへと行く。家族がどんどんバラバラになっていく気がした。 そんな時に出会った空賊。 「ずっと兄貴だったらいいなって思っていたんだ」 二人は黙って聞いている。だから、これはシンの独り言のようなものだった。 「似てた。顔とか仕草とか。違うって所もあったけど、でもやっぱりどこかで期待してたんだな。嬉しかったんだ・・・」 ラクスに見えていた兄の幻影が自分にも見えていたのが何よりの証拠。無意識のうちに求めていたのか、帝国の王宮で1人仲間外れにされる疎外感も手伝って、彼に兄を感じていた。 「でも、なんだか遠くなった気がする」 空賊とその見習いより、兄弟の方がずっと近い関係なのに、今のシンには彼が遠く感じられた。シンの事は最初から知っていたのだ、知っていてずっと空賊を名乗っていた。シンの苦しみや葛藤もどこか人事のように接していた。親近感を感じていたのは自分だけだったのだ。 「あの人、殴っちゃったし」 裏切られたと思ったのと同時に、自分ばかり期待していて恥ずかしかった。 殴った本人の方が殴られたアスランより堪えていて、激情に任せて手を出すとは、何て子供だろう、と今では思う。しかし、ヴィーノが一歩近づいた。 「それに関しては俺、シンは悪くないと思うぜ」 「兄弟なら、関係なくないじゃん」 ヨウランもシンに言う。 兄弟のこと、心配に思うのは無理ないじゃないか。まして生死にかかわることなんだから、俺は間違ってない、そうだよな。 「あれであの人結構子供っぽいしさ」 「だからシンが謝る必要ないぜ。殴られて当然ってゆーか」 俺って、意外と現金かも・・・と、少し気持ちが軽くなったシンは思う。 「俺もそう思うね」 「ディアッカ!」 姿を現したのは、帝国のフェイスマスター。黒いマントが床につくかつかないかの位置で揺れ、ガチャリと鎧が特徴的な音を立てる。軽く笑って、シンの横を通り過ぎて、窓から紫色の空を見た。 「お前ら良く似ているよ。馬鹿だぜ、お前も」 どっちも自己嫌悪に陥っている。ディアッカから見れば、シンもアスランも手のかかる弟のようなものだ。イザークのそばに居た事で散々二人の話はおろか面倒につき合わされてきてもいる。 「・・・アスランも・・・あいつも」 シンは息を呑んだ。 死んだと思っていた兄と再会できたことを喜べない、現実が目の前にある。 蘇るのは、ヴォルテールの艦橋での再会と、青白い光の柱に包まれる旗艦。 艦橋へ向かう軍人達と去る自分がいた。 「俺っ、兄上を置きーーー」 「シン」 語気が強いディアッカの横顔を見て、シンは口をつぐんだ。 俺は今、なんて言おうとした? 「あっ、俺」 兄が決めたことだ。アスランと何かを話し、父上から賜った剣を渡して旗艦に残った。自分が置き去りにしたから、先に逃げたから、死んだわけではない。それを自分のせいにするのは失礼だ。分かっているけれど、もし自分があの時・・・と考えは止まらない。 アプリリウスと言う帝都から離れた新しい土地で兄を驚かすだけのはずが、ようやくの再会は一生の別れになった。 「なんつーか、まあ、ありのままを受け入れるしかない」 小さな丸窓にカーゴキャビンの光を反射したディアッカが映っていた。あんな風に静かに、兄の死を受け入れられるとは思えない。きっと、俺はいつだって思い出すだろう。あの時、もし俺が・・・と。 「後悔することは悪いことじゃないさ。けどな、やることがあるだろ? 殿下」 ・・・そうだ。 俺はプラントの皇子だから、ディアッカがここにいる。俺が帝国にとって必要だから、あの兄上がそう思ったから、俺はフェイスマスターのディアッカに連れ出されたんだ。 「少しは俺、王子らしいことできてるかな」 「まだまだこれからだろ」 そう、だよな。 悔しいがそのとおりだ。ヨウランもヴィーノもプッと笑っている。 「アイツのようになりたいって思うなよ、そんなの誰にも無理なんだからな、殿下にも、勿論アスランにも。・・・どうせなら超える気で頼む」 にやりと笑うフェイス。 言いたい事は分かる。俺だってそれに答えたいと思う。 「分かってるよ」 シンにはそう強がるのが精一杯だった。ヴィーノやヨウランが「どうだか」と茶々と入れれば、急に身体が軽くなった気がした。それは気のせいではなくて、セイバートリィが高度を下げ始めたからだった。 地表に見えた明かりがどんどん近くなり、カーゴに飛空艇から降りると告げに来たアレックス、いや、アスランについて町へと入った。 宿屋の部屋でも二人は目を合わせようとせずに奇妙にすれ違っていたが、だからと言っていつまでも付き合ってやるほど皆はお人よしではなかった。 「コーディネータ・・・何でしょうか」 「あの白い変な奴を指して言っている様に聞こえたわ」 一際耳のいい(当たり前だ)ミーアが、イザークの呟きを捕らえていて、口火を切ることになった。アスランがイザークとの会話を暴露させられてから、一行は情報をまとめ今後の方針を練ることになったのだ。元はといえばラクスの演説後、両国の話し合いを見届ける為に戦場に乗り込んだはいいが、戦闘は起こり、悲劇は起きた。 連邦の飛行戦艦で目撃したモノ、帝国の旗艦でのできごとを分析する。とにかく、イザーク残した「真の敵」という言葉が引っかかっていた。 「そして『ロドニアの遺跡へ行け』か・・・」 「ロドニアの研究所にあった種石がもともとあった場所だろうな、おそらく」 「そこへ行けば真の敵が分かる、と言うわけでしょうか」 プラント帝国でもない。ましてコスモス連邦でもない、本当の敵。 「おそらくそれがコーディネータだ」 暫く考え込んでいたアスランがおもむろに呟いた。目を閉じたまま、何かを思い出すように。 「確かにそうかもしれないけどさ、断定は禁物だぜ?」 「会ったことがある。昔」 最初に白羽の矢を立てられた人間。 夜光の種石を持ち出して、帝国瓦解へと導こうとした。 「今の帝国はおかしいと話しかけてきて、種石へと案内されたんだ。それがきっかけで、俺は色々調べまわることになって・・・人工種石の事を知ったんだ。その時、一瞬だけど、あんな白いローブを纏ったクルーゼ殿を見た」 「そして7年前のユニウス領消滅か」 思えば最初から、何者かが、執拗に何かを為そうとしている。 シンが感じているこの世界のおかしさも、ラクスが感じた自分を利用しようとする存在も全てが繋がっていく。 「ロドニアの遺跡に行くしかありませんわ。全てはそれからです」 「そうと決まれば今日は休んで明日からに備えましょ?」 早速、宿屋の主人を呼んで、キラが食事を山のように注文した。一人で張り切って食べる以外は、早々に切り上げて、各自が休みを取る。しかし、シンは今だに気持ちが集中しなくて中々眠れなかった。眠ろうにも頭の中に今までのことが幾つも蘇り、両手両足が熱を持って寝るどころじゃなかった。 「何だよ・・・俺ばっかり・・・」 起き上がって窓から星を見上げる。 冷えた空気が、火照った体に心地よかった。暫くぼんやりしていると、低い話し声が聞こえる。ああ、前にもこんなことがあったと思い出した。あの時はラクスの呟きだったが、今度はずっと低い男の声、その声を知らないはずもなかった。 「それがイザークから受け取った剣か」 「ああ、父上がイザークのために仕立てた剣さ」 月明かりに反射する剣は柄と刃の間に青とも緑とも言える石がはめ込まれ、刀身そのものは月の光を透している。ただの剣ではないことは明白だった。 「・・・帝国に戻るのか?」 「戻れるわけないだろ。公式に俺は死んでるし、出て行ったら大変だよ、それにそのつもりもない」 昼間は食事をする外のテーブルから少し離れた所に水路があって、そこにかかる橋の近くに男が二人いた。 「けど、アイツはそれをお前に託した」 「帝国を頼むってことじゃないと思う。もっと違う事だったんだ、兄上達はもっと違うものと戦っていた。ディアッカは知っていたのか? コーディネータのこと」 「いや、恥ずかしながら全然」 今は鎧を脱ぎ軽装でアスランと並んでいるディアッカが肩を竦めるが、その仕草は幾分力ない。 「フェイスマスターがそんなで大丈夫なのか?」 「何かを必死になって探っているのは知っていたんだけどな、まさか、人知の及ばぬ敵だとはね、予想外」 種石を与える彼らの目的はなんなのか。なぜ、ギルバートやイザークが彼らを敵と定め戦っているのか。シンやアスラン達はその答えを掴みかけている。 「俺もどうするか決めないとな」 英雄なんて柄じゃない。 イザークだってそう思っているさ。 「俺としては、フェイスとしての職務を全うして欲しいんだが」 「それは命令か?」 「ただの願望さ」 どいつもこいつも素直じゃない。 本当に、帝国の馬鹿兄弟は身内の心配をすることを恥だとでも思っているのかね。 「第2王子を失ったんだ、帝国は黙っちゃない。連邦だって先に動いたんだ、後に引けないだろ」 「帝国は報復に動きますよ。ギルバート殿下の出陣と共に宣戦布告です」 声と同時にジャリ・・・と砂を踏む音がする。暗がりから出てきたのはまだ若い青年だったが、二人ともその不審人物を良く知っていた。 「ニコル」 「久しぶりですね、ディアッカ」 「ほんとにな」 ニコルがアスランの手にした剣に目を留め、ディアッカの隣まで来て手にしたものを持ち上げる。月光に鈍く光るのは酒瓶だった。 「悲しい時はちゃんと発散させないとだめですよ?」 眉を寄せるアスランが心外そうな顔をしたが、ニコルには通用しなかった。強がりを見抜かれて腕を引っ張られている。自分で歩き出した奴に気づいてニコルが投げかけた。 「あなたもね」 翌日、薄く雲が覆っていた空も、町が動き出す頃になると次第に晴れていった。セイバートリィの傍でニコルが地図を広げてある場所を指していた。シンはどうしてここにいるのかとか、また会った理由を一々考えることはしなくなった。 ディアッカと入れ替わりに現れたニコルが、アスランとどういう関係なのか否応なく分かったし、それは昨夜、微かに聞こえた会話からも知っていた。 アレックスは、アスラン・ザラ・プラントで、俺の兄貴だった。 嘘をついていたことを許したわけじゃない。 早々許してやるもんか。 「おそらく、この辺りがロドニアの遺跡です」 けど、これとそれは話は別だ。 だって、これはイザーク兄上の遺言だから。託されたのはあの人かもしれないけど、だからって、知らん振りするものか。 俺だって真の敵を知りたい、何かしたいと願うのは俺。 俺のできることで、この人を超えたいと願うのは俺なんだ。 シンは装備を確認しながら、森の奥にある遺跡へと向かう。パーティの役割は前と同じだったけれど、アスランの手にはいつもの銃ではなく剣が握られていた。 「何だ、剣も扱えるんじゃない」 「悪かったな」 キラとアスランの掛け合いにも変化はない。心配そうに見つめるラクスの視線も同じ、ミーアを振り向けばニコッと微笑まれた。 「気になる?」 「誰がっ!」 「アタシは心配だわ。どこかでボロが出ないか・・・その時はシンがちゃんとフォローするのよ?」 「何で、俺が!!」 「だって、アスランの弟子でしょ? 師匠の不始末をつけるのは弟子の役目だわ」 ミーアは呑気に話しているが、その間も襲ってくる野生の猛獣達相手に矢を放ち、時折回復魔法を皆に施している。平然とアスランと口に乗せたけれど、顔は笑っていなかった。その視線の先には、剣を持つ彼がいる。 「お願いよ?」 俺ばっかり! 今頃になって、あれこれ押し付けるなよ! シンはヤケクソ気味に樹の間から降りてきた巨大な蛇を輪切りにした。 その後、順調に森を進み、シン達は昼過ぎには伽藍とした遺跡にたどり着いた。鬱蒼した森に隠されるようにあった遺跡の入り口は蔦に覆われていて、ようやくなかに入り込んだそこは、中にあったものが根こそぎ奪い去られた巨大な空洞だった。 「ここが、遺跡!?」 「ここから研究所に運びましたのね・・・」 まず駆け出したシンを追って、ラクスが歩き出す。王墓や覇王の剣が安置してあった遺跡と雰囲気的には変わらない。 「奥に扉があるわ」 空間の向こうに行くのにも苦労する。何せ大きなすり鉢のそこを縁縁歩くのだ。後半は結構な昇りで、ぜーぜー息を付きながら辿り着いた扉の前に立つ。彫られているのはそれは古い古い文字で、読めるものはいない。 「ミーア?」 「古い言葉だわ。言霊も消えうせてしまっている」 「見たことがある形だな」 「王墓にある紋章と同じですわ、グレン王と何かかかわりがあるのでしょう」 「向こうに行けなきゃ意味ないじゃん」 シンはガンガンと扉を叩いた。・・・つもりだった。 あっ、え!? 「シン!?」 扉が消えうせ勢い余って床に倒れこみ、懐から転がり出たのは種石だった。 「光ってる・・・」 「何この部屋!?」 キラの驚き声に、シンは身体を起こして壁を見上げた。四方の壁には細かい字がびっしりと刻まれている。それがただの模様に見えなかったのは、整然とはいいがたい並び、大きさに、所々斜めになり、殴り書きしたような後が見えたからだ。 「すごいシードだな」 「ここは・・・」 部屋にはシードが溢れていた。 やがて渦巻き、部屋の中心に集まって、緩やかな人の輪郭を描いた。 『・・・真実を求める者よ・・・』 実体を持たぬそれが、話しかける。 『・・・歴史の消滅と共に生まれる種石の真実を知るがいい。ここにあるのは、かつて我が歴史と共にあった、彼らの歴史だ』 語りだす幻影と、壁の文字が光に浮き上がる。読めなくても、幻が読んでくれていた。 グレン王と覇を競った、大国を。蒼穹の門より飛来した存在と戦い続け、そして破れた彼らの歴史。誰もが言葉にならない驚きを上げるが、真実の前に感想は無意味だった。これが真実でなくしてなんであろう。 グレン王が覇業に用いた種石と、現在残されているものは別物であった。敵国を滅ぼすために種石は失われ、そして、彼らの刻んだ時と引き換えに新たな種石が生まれた。暁、陽光、黄昏、夜光の種石は彼らの歴史が消滅した際にバランスを保つ為にその負荷を閉じ込めたもの。 『我が友、我が戦友、彼らの国の歴史を記しておく。 ジョージ・グレン』 最後の署名を聞くにつれ、ラクスが膝を折る。 「これが種石の力の元」 「コーディネーターって!?」 「あいつらのことだな」 種石を与え、歴史を導くもの。連邦の飛行戦艦で、ヴォルテールで見たあの白い存在を覇王は調停者と呼び、イザークはコーディネータと呼んだ。 「こんな奴らが、俺たちの敵!?」 こんな、歴史を覆すような、あっさり国一つを丸ごと消してしまうような連中が! シンは背筋がつうぅと寒くなるのを感じる。 「でも、倒せない敵じゃない」 アスランが呟く。 そうさ、奴らの1人はイザークが道連れにした。それをシンだって見ていた。 「問題は蒼穹の門がどこにあるか・・・」 言い終わらぬ内に、幻が天井を指差した。人の輪郭が今度は階段へと形を変える。 「これは・・・登れってことか!?」 「思いっきり天井行き止まりだけどね」 なぜだろう。シンは戸惑ってはいけない気がした。 この先、何があろうと、立ち止まってはいけない様な。 「当たり前だろっ!」 シンがシードで形作られた階段に足をかけた時、小さな部屋の景色が一変した。崩れていく壁、分解していく覇王の文字が、螺旋を描いて、方々に散る。 足元には10人は横に並べそうな石造りの階段。 側面をさえぎるものは何もなく、青空が開けていた。 忌々しいほどの晴天、雲一つない。 その日、彼は肩から黒いタイを掛けていた。 それを言うなら、いつにもまして全体的に黒の装いだった。彼の貴色が黒であるからだが、民の誰もがその理由を知っていた。帝都は悲しみと怒りに満ち溢れていた。王都にまた一つ掲げられた黒い垂れ幕。宮殿前広場を埋め尽くす帝国軍人と、帝都に溢れる民が飛行戦艦の音に空を仰ぐ。 帝国の平和と繁栄の為に、この戦いが最後となることを。 イザークのものとはまた違う剣が前方、彼方を指し示す。そう遠くない前、弟が艦隊を見送った場所で、ギルバート・デュランダル・プラントは背後に艦隊の轟音を聞く。西に向けて大艦隊が進軍し、俄かに吹き上がる風に彼の黒髪が舞った。 「帝国で大規模艦隊が動きます。情報によれば第1軍の姿も確認されています」 「あんな男でも弟は可愛かったと見える」 アズラエルは報告を聞いて口にした。帝国の第1王子といえば、喰えない男と言うのが第一印象で、継承争いで弟を蹴落とした非情さで有名だったのだが。戦で他国に奪われるのとはまた違うらしい。 「さて、どうしたものですかね」 始めてしまった戦争程、終わらせるものが難しいものはない。今度は何を犠牲にすれば収められるのか、アズラエルは脳裏にリストアップする。 「開戦したも同然ですし、奴らがどう出るか・・・」 ジブリールが死んでからと言うもの、種石をチラつかせて世直しを叫ぶ存在がいなくなった。帝国旗艦撃沈の異常さから、何事かが起こったことは予想がつく。 「感謝すべきなのか、それとも、シナリオ通りなのか気になりますねぇ」 戻る 次へ * 開戦まで来ました。今回は、本当に苦労しました。どこまで書いていいものやら、どれだけコンパクトに纏めるかが難しい・・・。
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残された希望 溶かそうとしても、剣で叩き割ろうとしてもびくともしない種石を砕くことができる剣。その覇王の剣の所在を教祖から聞き出したラクス達。マルキオ教の本山を下山して、覇王の剣があるという遺跡を目指した。 シンの抜けた穴を全員でカバーする為、ステラのラクスも自分の身は自分で守るしかなかった。図らずもラクスが言った通りになったのである。吹雪に襲われ、身動きできない時。風雪をしのぐ為に谷に残る何かの残骸の中でラクス達は休みを取った。 勿論、凍えるほど寒く、炎の魔法で暖めても暖めても熱が奪われていく。 「一つ聞いてもいいか?」 ステラを間に挟んでミーアと肩を寄せ合っているアレックスが顔を上げた。問いの先にいるのはミーアの横のラクスだったが、正面の冷たい壁に向かって呟く。 「覇王の剣、手に入れてどうするつもりだ?」 種石を砕くのだ。 そう、種石・・・けれど一体どの種石を砕くつもりなのだ? アレックスはそう尋ね、ラクスはそっと懐の暁の種石に手をやった。今も、ほんのりと暖かい美しい石。 「分かりません。ですが」 力が手に入らないのなら、相手の力を削げばいい。 常套手段である。 「手に入れるのが先決だよ」 口を閉ざしたラクスの替わりにキラがアレックスに答えた。 何にどう使うのかを考える前に、実物を手に入れなければ話にならない。 「なぜ、ジョージ・グレン王は種石を砕く剣を残したのでしょう」 自らを危機に陥れることができる力を、子孫達ではなく、このような遺跡に残したのか。王墓に残されていた暁の種石といい、覇王の剣といい、実際の所は謎だらけだった。遥か昔に何があったのか今や誰も知らず、その力だけが残されている。 種石の力の使い方を求めてこんな所までやって来たけれど、種石は願いを叶える夢の力ではなかった。 迷っているのかもしれない。 種石の力を求めることを、種石にこだわり続けることに。 けれど・・・立ち止まることはできない。 帝国から独立する為に今できる事を考えた時、最後は結局、力なのだ。何をするにも最後に必要になるもの。ジョージ・グレン王が覇業を成し遂げるのに、決して欠かすことのできなかっモノもそう。 「わたくし達が帝国に対抗できる力は、これをおいて他にはないのです。種石も覇王の剣も帝国に渡すわけにはいきません」 口に出してしまえは、それが決意になった。 決して諦めないと、アプリル王国を復興すると彼に誓ったのだ。その為ならどんな小さな希望すら見逃せない。 もう、迷いはない。 わたくしはキラやアレックスのように戦えないけれど、恐れはしない。 ラクスは遺跡に辿り着くまで剣を振り続けた。 遠く離れた帝都では、多くの侍従に囲まれたシンが自室でおとなしく帝都を眺めていた。だが、帝都中央でのんびりしていたのはシンだけで、後のものは1人残らず慌しく動き回っていた。 皇帝の御座所へ繋がる回廊を足早に通り過ぎる彼ら、フェイス・マスターもそれは同じだった。 「この度の非常召集、貴方ならどう見る?」 問いかけたのは金髪をカールさせた女性だ。だが、例外なく漆黒のマントに描かれているのはフェイスの紋章で、全身を覆うのは他に一つとない甲冑。そして隣を歩くのは、シンを帝都に送り届けたばかりのディアッカだった。 「殿下は陛下暗殺の咎で元老院を解散させたお方だ。当然、反発も大きいからな、フェイスをここで一気に掌握する腹積もりだろう」 「全く、元老院が陛下を暗殺なんて、どこをどう取ったらそうなるのかしら。場合によっては殿下に事情をお聞きしなくてはならない」 「7年前の事件の時は陛下がいらっしゃったから大事には至らなかったが・・・」 「帝国転覆など、あの方に限って有り得ないわ」 兄が弟を殺すなど尋常ではありえない。 表向きはアプリルと組んで帝国に害することを企んだからというのが理由だったのだ。誰が見ても、それは口実であったが皇帝さえもその言い訳を黙認した。 ディアッカよりずっと年上の女性は当時の事を思い出したのか、顔を顰めた。 「それは今更さ。俺達は帝国を守るのが使命だからな」 「そういう貴殿はいいのかしら、イザーク殿下はアプリリウスに戻られたとか」 いつもなら皇帝であるパトリックが居た部屋の扉が開き、二人のフェイスが部屋に入る。待っていたのは残りのフェイス2人とギルバートだった。 「遅いぞ2人とも」 「いいさ、レイ」 「ご挨拶ね、フェイス・バレル。この度の事で第4局はとても忙しいのよ」 フェイス達はそれぞれ局を与えられて、それぞれが職務を分担していた。 「それはご苦労だったね、グラディス」 「いいえまだ片付いておりませんわ。殿下、皇帝暗殺の件でお話をお伺いしなくてはなりません。何ゆえ、元老院が暗殺したと言われるのか」 グラディスは腰に下げた剣に手をかけ、すらりと抜き放った。 フェイスが剣を抜く時は、その権力を行使する時。つまり、ここでフェイス・グラディスはギルバートを逮捕しようというのだ。 1人は沈黙を貫き、今1人は頭を振りながら溜息を付く。 しかし、それを黙って見ていなかったフェイスが居た。 「フェイス・グラディス、ギルバート殿下の仰られることが信用できないのか!」 「我らフェイスは帝国の法の番人。誰か1人の私利私欲では動きません、それは殿下もご存知のはず。ご同行いただけますか? ギルバート殿下」 剣先が薄笑いを浮かべるギルバートに定められる。 「何を無礼な事を言っている!」 「何をするっ」 危うく揉み合いになるところを、フェイス・バレルがグラディスを捕らえた。彼女の首を掴んで締め上げる。 「ああぁ」 彼女より背の低い少年がギシギシと片手でグラディスを持ち上げる。いくら女性とはいえかなりの重量となる鎧を着込んでいるのだ。それを軽々と持ち上げる最年少のフェイスマスター・バレルにディアッカが目を瞠った。 「皇帝不在の今、ギルバート殿下が臨時独裁官となられ、元老院なき後、議会を管理監督する非常時大権を行使されることとなった」 苦しそうなグラディスの息が次第に浅くなっていく。 「つまり今やギルバート殿下が帝国の法そのもの! その殿下に剣を向けたフェイス・グラディス・・・貴方こそ罪人となるのだ」 心酔したように言葉を紡ぐフェイス・バレルがグラディスを放り投げる。甲冑がこすれあってガチャガチャと音を立てて床を転がる。もはや息も絶え絶えで、深く息を吸うこともできない彼女をギルバートが見下ろす。 「すまないな、タリア。この子はまだ手加減ができなくてね。だかこれで、誰が主か君も分かっただろう、フェイス・カガリ」 一番遠くで一連の動きを見ていた、もう1人のフェイスへとギルバートは視線を投げた。同じ金髪でも、フェイス・グラディスのように美しくカールせず、跳ねるに任せたざんばらな髪。 視線を受けて、カガリはついに来たなと身構える。 グラディスが言ったようにフェイスは帝国の法の番人であり、皇帝直属の臣下である。しかし、事実上は皇帝、ギルバート、イザークと懇意にしている主が存在する。 「君は父上にあれこれ報告していたようだが・・・」 「いいえ、私が仕えるのは帝国です。そして今や帝国の頂点に立たれるのはギルバート殿下」 伏したタリアの横まで歩み出て、臣下の礼を取る。 ここで帝国から放り出されるわけにはいかないのだ。ここで膝を折るくらい、故国が受けた屈辱に比べれば何だというのだ。 カガリを面白そうに見つめるギルバート。 「二度も主を変えるというのなら、君の忠義を見せてもらおうか」 ふふっと小さく笑って視線の先を少しずらす。 「そこにいる罪人に止めを刺してやれ」 顔を伏せたまま、カガリは唇を咬んだ。 まず初めは滅んだ故国からプラント帝国へと仕える先を変えた。幸い、貴族社会と同じくらい実力社会の進んだ帝国では、カガリでも腕次第で出世することができた。剣の腕と持ち前の啖呵でここまでのし上がったのだ。 皇帝に気に入られフェイスマスターとなり一個軍を与えられた。 もう少しなのだ。 もうすぐ復讐へと手が届くと言うのに。 グラディスはカガリにとって先輩であり、少ない女性仲間だった。この時代のフェイスマスターの中で一番の年長なのだ。心内に抱えているものを最初に見破ったのも彼女だった。その時は軽く女性の勘よといわれて傷ついたのを覚えている。 『フェイスとして貴方のやることは何?』 『今、何をするべきなのか考えなさい。でないと先には進めないわ』 すぐに突っ走ろうとする自分をやんわりと制したのも彼女だった。 その彼女をこの手で殺せと? 「どうした?フェイス・カガリ」 のろりと床に転がったグラディスの剣を取った。 私は―――。 誓ったはずだ、滅びた故郷を前にして。 彼女は立ち上がる。そして、伏したタリアの傍らに膝を突いて仰向けにした。うっすらと開いた灰色の瞳を見つめる。 「私のことはいい。帝国をお守りして」 私の望みが違う所にあると知っていて、貴方はそんな事を言う。 カガリを目を閉じて柄を握り締める。 「すまない」 脇の鎧の縫い目から剣を刺し込んだ。 うっ。 一瞬ビクンと跳ねる身体から力が抜けて行き、休息に瞳から光が消えていく。 「良かろう。君の言葉を信じるとしようか」 カガリはただ無表情にギルバートの前に膝を着いた。 一言でも口を開けば荒れ狂う胸のうちを声に出してしまいそうで、ぐっと耐えた。 「ではまず、シンの警護でも新たに頼もうか。もう二度とあれが帝都から出ないように、空賊の真似事などさせないようにな、君が危険から遠ざけてくれ」 それは中枢からの締め出しを意味していた。 帝都から出ず、帝都においてなんの権力も持たないシンに付くことは自由に動ける時間を失うと同義。カガリは唇が切れるほど強く咬み締めて告げた。 「拝命いたします」 皇帝亡き後、長男ギルバートは皇帝位には就かず、この危機を乗り越える為と称して法には記されていても今まで誰も任じされたことのない独裁官という立場になった。そして、議会を押さえるため、まず行ったことが非常時大権の発動であった。 皇帝、元老院、議会に分散されていた帝国の権力が、ここに一極集中することになったのだ。 これでいいんだ。 ギルバート殿下が失脚することはまずない。 後は時が熟するのをじっと待つだけ、睨みあいを続ける帝国と連邦がいつまでも保つ筈がない。いつか緊張は熟れて爆ぜるだろう。 「気にするなよ。ちょっと危なっかしい奴だけどシンはいい奴だから、あいつを頼むよ」 ディアッカに肩を叩かれる。 末の弟の警護になってしまったが、考えようによってはそれでもいいのかもしれない。 「着任の挨拶にでも行って来るか」 「ああ。そうしてくれ」 だが、カガリが訪れた先でシンはぼんやりと窓から空を見上げていた。 その様子に、一瞬フラッシュバックする懐かしい記憶。 青い空には白い雲が一つだけ浮かんでいて、窓から流れる風がカーテンを揺らしていた。 もうすぐお昼になろうかという時間、机にしがみ付いて先生が出した問題に頭をひねっている少女と、とっくに解くことを諦めた少年が両手で頬杖を付いて空を眺めていた。 こんないい天気なのに、勉強してるなんて勿体無くない? 何言ってるんだ。だから今、せっせとやってるんじゃないか。 部屋には2人の他に誰も居ないけれど、少女はこの部屋の隣で侍女が様子を伺っているのを知っていた。だから、誰も見ていないと思った少年のようにズルをすることができなかった。 「そんなの、別に覚えなくても困らないって。だってカガリ、大陸の疫病全部の名前を言えたって今日の天気は変えられない。あ~、勿体無い」 やる気をそがれた少女も手を止めて一緒に空を見上げる。結局、2人とも覚えることができなくて先生にゲンコツを喰らった。 バカだな、アイツ。 フレイは私達が覚えられなかった病気で死んだのに。 ちゃんと気づいていれば、オーブが滅びることはなかったのに。 「あのさアンタ、何か用?」 耳に飛び込んできた声にハッとすれば、カガリをじっと見つめる真っ赤な瞳と目が合った。 これでも帝国の王子か。 今大変な時期のプラント王国において、王子であっても何の力も持たない子供が哀れだった。方や帝国の全権を手中に収め、方や誰にも相手にされない少年。それを目の前の少年も分かっているのか、声が目いっぱい強がっていた。 真っ赤目が大きく開かれて、カガリは思い出す。 ああ、この少年はついさっきまで、アイツと一緒に居たのだった。 アイツの仲間で、敵として相対した事があった。たったそれだけで、シンの印象が気に入らなくなるのだから不思議だ。 「これは失礼、殿下。この度新しく殿下の警護を任されました、カガリと申します」 彼も私を知っているから、何事かと身構えている。 少しだけ、意地悪をしたくなる。 「どうして、フェイスマスターが俺の警護なんて」 「それは殿下が二度と王宮を逃げ出さないためです」 くっと言葉に詰まる少年にカガリは追い討ちをかけた。 「せめて陛下の葬儀が終わるまでぐらい、おとなしくできるな?」 我ながら主に対する言葉遣いじゃないなと思った。 明日からの葬儀は滞りなく終わるだろう。 けれどこの少年を閉じ込める柔らかな檻はずっと続くのだろう。 カガリは少年の後ろに立って同じように空を見上げた。残念ながら雲に覆われ始めた帝都の空は青い部分がとても少なかった。 雪の渓谷を越えた先にある遺跡は山間にひっそりとあって、遺跡を守護するマルキオ教の司祭達がラクス達を遺跡の中へと通す。 「グレン王の王墓と同じね」 遺跡の中はミーアでなくてもシードが目に見える程溢れ、ラクスは頭の中にリーンと鈴が鳴り響いているのを感じていた。迷路のような地下道も気の遠くなるような深い階段を下る。 「・・・行き止まりだね」 「壁に仕掛けとかないか?」 キラとアレックスが周囲を調査するが、あるのは火の消えた燭台のみ。 燭台のくぼみに掘られているものが、王墓で見た文字と似ているような気がして、ラクスは歩み寄って手を滑らせる。 覇王の剣を求めるものよ。 証をこれにかざせ。 不思議と頭の中で組み立てられていく文が、アスランに朗読されるような気がしてラクスは少しの間目を閉じてその余韻に浸っていた。 「種石ですわ」 ラクスは言われた通り、暁の種石を燭台にかざす。 ただの行き止まりだった壁に新たな通路が出来上がっていて、キラもアレックスも、皆がラクスを見た。 「行きましょう」 理由を尋ねられても困るから、ただ先を急ぐことを提案した。 亡くした人が教えてくれたのだと言ったら、彼らは信じてくれただろうか。ほんの少しだけ笑っていた彼女を、アレックスが眉を寄せて横目で見ていて、その様子をミーアがこっそり見ていた。そして、そんな2人をキラが見ている。 さらに奥へと進んだ遺跡の底に、巨大な祭壇があった。 光に彩られ、中央に封印されるように配置されているのは間違いなく剣。 「あれが・・・」 アレックスが中央の祭壇を見上げる。太陽の光など一筋も届かない遺跡の地下だというのに、玄室はお互いの顔が確認できるくらいには明るい。それは全て、剣を封印している祭壇に流れる光の筋のお陰であり、一歩踏み出すと、まるで鼓動のように脈打った。 「間違いなく覇王の剣」 誰もがその異様な姿の剣に足を止める中、ラクスが一歩づつ近づく。 一歩、また一歩と近づくたびに光が溢れ、封印が少しづつ解けていく。 まるで待っていたかのように。 完全に目の鼻の先、手を伸ばせば触れられる所まできた時、剣を戒めていた封印が全て開放された。溢れていた光は剣に収束して、ふわりと覇王の剣がゆっくりと降りてくる。 淡いグリーンの光がはじけるように小さな光のたまになって空中に散っていく。 手を伸ばしたラクスの腕に収まると、本当に拡散してずしりと剣の重さが伝わってくる。 これが、覇王の剣。 かつての覇王、ジョージ・グレンが手にした力。 わたくしはこの力を・・・。 女の片腕で支えられるわけなく、ズシンと床へと穿つことになってしまった。 「すごい刃だね。こんな剣で本当に砕けるのかな?」 覇王の剣の刃は剣先で二つに裂け、途中にも槍受けが幾つも出ている奇怪な形をしていたのだ。両手に力を込めて引き抜いたラクスはキラが言うとおり、おかしな造りの刃を見る。 ただの剣ではないのかもしれない。 まさか、種石と同じようにこの剣も手に入れただけでは意味がないと―――。 「砕いてみればいいじゃないか」 何をとは言わない。 アレックスが口にしたことが何を意味するかなんて、その場に居た誰もがわかっていた。 「どうせ使い方も分からない種石だ。今この場で砕いて、剣が本物かどうか確かめればいいじゃないか」 その通りですわ。 持っていても使えない種石。本当に使えるのか分からない覇王の剣がここにある。ラクスは床に種石を置いて、辻褄の合う提案に覇王の剣の柄を握り締める。今一度種石に視線を移して、あるはずのないものに驚いて顔を上げた。 種石の上に置かれた手。 青白い燐光を纏う手の持ち主が自分を見つめていた。 微笑んでゆっくりと頭を振る。 駄目だよ、ラクス。 彼の声が聞こえた。 戻る 次へ ちょっと中途半端です。今回予定をクリアできなかったよ、ああ、段々長くなる~。ちゃんと追われるのか不安になってきた。
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2009/07/18 SFCファイナルファンタジー5r 安価条件 クリア 実況時間32時間31分 寝落ち確定で未クリア 安価人さん生存 その後、フリーダムスレにて計50時間実況しクリア。 この日3本目、再々安価で来たのがこのゲーム ファイナルファンタジー5の改造版でした。 誰かが短かったからって再安価すると鬼畜安価くる とか言ってましたが、 ここまできついのがくるとは思わなかったですorz このゲームがどんなのかは知らなかったのですが、 ノーマル版5はクリアはしてなかったですがプレイしたことはあったので 何とかなるだろうと思ってました。 しかし、普通にプレイしてたらかなりきつかったです。 通常敵は出てくる敵が変化したりしてましたし、 ボスは他のFFシリーズのボスが出てきたり強化されていたりと 最初のボスから苦戦しっぱなしでした。 毎回ボス戦の旅になども全滅し、倒すのに1時間以上かかったりして 結局第1世界クリアだけで16時間30分かかってしまいました。 この後第2世界でもかなり苦労しました。 ビックブリッジのギルガメッシュがストーカーみたいに4人になっていたり、通常版でも強かったアトモスがさらに強くなってたりと苦戦の連続です。 其の上、ムーアの大森林では封印を守る者の代わりに第1世界で苦戦させられたFF4の四天王が4人同時に襲ってきて、 さすがにここはlvアップやアビリティ稼ぎ、アイテム稼ぎなどしないと無理かと思いました。 何度も戦い続けて少しずつ倒し方がわかってきて、 最後には何とか倒すことに成功しましたが、正直運が無ければ無理でした。 いよいよ第2世界のラスト、エクスデス城に向かったのですが、 このとき第2世界突入から14時間30分位かかっており、 すでに23時だったのでご飯休憩をとることにしました。 しかし、これが間違いでした。 ご飯食べ終わってもう23時30分だったので椅子に座ってコントローラー持って再開しようとしたのですが、 ヘッドフォンを付け忘れていたので椅子に座ったまま床に手を伸ばしてヘッドフォンを取ろうとして…… 次気づいたときは、床に横たわっていました。 どうも床に手を伸ばしたときに頭が揺れたことで意識が飛んで、 それでそのまま椅子から落ちて寝てしまってたみたいです。 再々安価だったとはいえ、時間にすれば34時間で寝落ちです。 1日目の深夜帯でいつもと違って眠気が全然飛んでくれなかったので ちょっとやばいとは思っていて、それでいつも使わない椅子出して 眠気があまりこない体勢でプレイしたりしてたのですが まさか、頭がゆれて意識が飛ぶことになるとは思いませんでした。 安価人さん、視聴者さん、鏡さん、長時間付き合ってくれたのに途中で落ちてしまい、本当にごめんなさい。 おま指では寝落ちしてしまいましたが、クリアまではなんとか実況していきたいので現在フリーダムで実況することにしております。 起きたあと、7 22~15:57まで続きをプレイしていました。 第2世界最後のエクスデスはかなり強かったです。 魔法攻撃は吸収か無効化だったのでこちらの攻撃ははりせんぼんの1000ダメージでかなり長期戦となりました。 しかもエクスデスを追い詰めると本気を出してきて、攻撃を防げないと前回復してても即全滅 耐え切っても、2回攻撃してきて毎回防げないと2人ほど死んじゃうような状態でさすがに無理でした。 なのでイージスの盾を盗んで4つにして、それを使って攻撃を防ぐことにしました。 イージスの盾が想像以上に大活躍してくれたおかげでエクスデスは撃破できました。 第3世界では、ピラミッドクリアして石版1枚GET&レナを再び仲間にするところまで現在やっております。 次の配信は7/25土曜日朝10時よりフリーダムで配信予定となっております。 安価人さん、フリーダムでも続きを見てくださって本当にありがとうございます。 土曜日までに少しはジョブ稼ぎしといたほうがいいかなぁと思案中。 7/23 22 40~23 50 倍速AP稼ぎ 4人ともに、シーフと青魔導師ジョブマスターしました 7/24 22 00~23 10 再びAP稼ぎ マジすか!? 忍者 レナ 狩人 クルル 赤魔導師 ファリス 侍 をそれぞれマスター 7/31 22 00~24 00 今週も少しAP稼ぎ マジすか!? ナイト、狩人、魔法剣士、パラディン レナ 忍者 時魔導師、魔獣使い、パラディン クルル 魔法剣士、時魔導師、パラディン ファリス 赤魔導師、パラディン をそれぞれマスターしました サボテンダーがAP10あっておいしいです たまに全滅するけど^^; 4回にわたる実況の末、ようやくクリアいたしました。 ラストのほうは火力やHPが足りず、オズマ戦では歌で攻撃力UP、 ラスボスでは調合を使い、それで何とか倒せました。 5はエンディングが何通りかあるみたいで、 今回見たのは全員生存ENDでした。 何とかクリアできたものの、 倒していないボスがまだ何匹か残っているので 残りもいつか倒したいものです。 皆さん、お疲れ様でした。 名前 コメント すべてのコメントを見る てst -- (名無しさん) 2009-07-20 07 05 09
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※後継作『FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア、蒼天のイシュガルド、紅蓮のリベレーター、漆黒のヴィランズ、暁月のフィナーレ』については該当記事が作成されています。このページでの記述は控えてください。 ファイナルファンタジーXIV 【ふぁいなるふぁんたじーふぉーてぃーん】 ジャンル MMORPG 対応機種 Windows XP/Vista/7 メディア DVD-ROM 1枚 発売・運営・開発元 スクウェア・エニックス 発売・サービス開始日 通常版 2010年9月30日コレクターズエディション 2010年9月22日 定価 通常版 8,190円コレクターズエディション 10,290円+利用料月1,029円(いずれも税込) レーティング CERO B(12才以上対象) 備考 現在はサービスを終了した為プレイ不可能 判定 クソゲー ポイント 「10年に一度級のクソゲー」最悪の企業態度バージョンアップでパソコンがクラッシュ会社が傾き信頼も地の底にテンポがもっさりでUIも最悪映画『ファイナルファンタジー』の再来徐々にだが改善はされていった今となっては完全に過去の話ではある ファイナルファンタジーシリーズ 概要 経緯 基本システム サービス開始当初から存在するシステム 体制変更後に実装されたシステム 問題点 ゲーム自体の問題点 ゲーム内容以前の問題点 評価点 総評 企業問題 その後の顛末 その他余談 新生『ファイナルファンタジーXIV』 概要 ファイナルファンタジーのナンバリング第14作であり、『ファイナルファンタジーXI』以来、2作目のMMORPG。 アートディレクターに吉田明彦氏、音楽に植松伸夫氏を迎えた本作は、『XIII』の路線に疑問を感じ、本格的な『ファイナルファンタジー』の再来を願っていたファンの大きな期待を集めた。 社長直々に「ライバルはWoW(*1)!」と謳い上げるが、実際には看過できない問題点が大量に存在していたため、企業態度の悪さも相まってシリーズのブランドを揺るがしかねない大問題に発展し、ユーザーの期待を大きく裏切ることとなってしまった。 経緯 本作の開発は2005年に始まり、当初は「次世代MMO(仮称)」「ラプチャー」の名称で開発が進められていたが、田中弘道プロデューサーは「名称未定の時点ですでに『XIV』として製作しようと決めていた」と2009年のE3におけるインタビューで語っていた。 同インタビューでは、『XI』の開発/運営経験をもとに作成したまったく新しいMMOとされ、バトル形式も『XI』のような一対多ではなく多対多、パーティ推奨でリアルタイム重視のMMORPGであるとされた。 翌2010年4月からαテストが始まり、その後クローズドβ・オープンβを経て同年9月末日に正式オープンが開始された。 結果は後述の通りの大失敗に終わることとなった。 後継作『ファイナルファンタジーXIV 新生エオルゼア』(略称『新生FF14』または『新生』)は、スタッフ総入れ替えのもと制作が進められ、ほぼ別ゲーとして生まれ変わっている。対応機種はWindows PC、PS3、PS4、PS5。発売日は2013年8月27日。 新生については別稿で説明されているのでそちらを参照。また、新生と区別するため現在こちらのバージョンは『旧FF14』『根性版』と呼ばれている。 基本システム 今作品は田中P・河本Dよる1.0ローンチ当初と、吉田PDが引き継いだ後の根性版と呼ばれた新生と並行して行われた大改修期とでゲームの方向性自体が大きく変わっていったところがあるため、両者を切り分けての解説が必要となってくる。 サービス開始当初から存在するシステム アーマリーシステム 本作の特徴として、主器(後にメインアームと改称)に装備する武器や道具を持ち替えることでクラスチェンジを行うというシステムになっている。例えば剣を持てば剣術士、そのままつるはしや鍛冶ハンマーを持つことでギャザラーやクラフターに切り替えるといった仕組みであり、これは新生以降にも引き継がれている。新生以降のごく一部の派生を除き、基本的に一つのクラスに武器・道具種は一種類となっている。 戦闘職 ファイター(剣術士、斧術士、格闘士、槍術士、弓術士)とソーサラー(幻術士、呪術士)に大分される。旧の時点ではさらにリムサ・ロミンサに未実装職の巴術士ギルドと銃術士ギルドがあり、前者は新生にて実装、後者は蒼天のイシュガルドにてルーツは異なるが、ギルドに関わっていたNPCを顧問とする形で機工士として実装された。 非戦闘職 ギャザラー(採掘師、園芸師、漁師)とクラフター(木工師、鍛冶師、甲冑師、彫金師、革細工師、裁縫師、錬金術師、調理師)に分けられる。採掘師と園芸師はフィールドにある採集ポイントを調べてミニゲームを行い、素材に適したポイントで手応えを得ることで素材が獲得できるというシステム。これは新生でゴールドソーサーの遊具として流用された。 ギルドリーヴ 本作の主軸となるコンテンツとして語られていた都市国家から受注できる小クエスト群。旧時代には都市外で戦闘や採集を行うリージョナルリーヴ、都市内で生産を行うローカルリーヴ、特定のリーヴで得られるクレジットを消費して行える高報酬のファクションリーヴに分かれていた。地球時間12時間毎に4枚補充され、最大99枚までストック可能。 体制変更後に実装されたシステム ジョブシステム 「◯◯士」といったFFらしからぬ漢字のクラスしかなかったのがサービス開始当初から不評で、ナイトや白魔道士といったジョブを実装してほしいとの声を受け大改修期に実装された。槍術士から竜騎士、呪術師から黒魔道士といった具合に特定のクラスを一定のレベルまで上げることで受けられるクエストをクリアして得られるジョブクリスタルを装備することでクラスから派生する形での実装。旧時代はソロ向けのクラス、パーティ向けのジョブといった形で、剣術士なら他クラスの攻撃寄りのアビリティ、ナイトならより防御性能の高い専用アビリティをセットできるといった方向性がとられていた。 インスタンスレイド 新生以降にインスタンスダンジョンと名を変え実装されることになる、パーティ向けのインスタンスコンテンツ。旧時代にはトトラクの千獄、ゼーメル要塞、カッターズクライ、オーラムヴェイルの4種類が実装。レイドという名称から分かる通り、新生以降のインスタンスダンジョンよりはハイエンド寄りのコンテンツとして設計されていた。 討伐戦 新生以降にも定番となる、パーティ用のインスタンス討伐コンテンツ。旧時代にはイフリート(ノーマル、真、極)、ガルーダ(ノーマル、真)、善王モグル・モグ、月下の闘いが実装。本来はタイタン、リヴァイアサンも追加される予定でクライアントにもモデルデータが既に用意されていたが、直前に東日本大震災が発生したことでお蔵入りとなり、急遽作られたのが善王モグル・モグであった。 グランドカンパニー パブリックカンパニーシステムとして考案されていた所属国のシステム。開始都市とは別にリムサ・ロミンサ、グリダニア、ウルダハの三国のいずれかに所属することになり、カンパニーリーヴ等のコンテンツで得られる軍票で装備を得たりするなど新生以降のシステムの基礎が作られていた。グランドカンパニークエストも実装され、事実上の第七霊災編のメインクエストとなっていた。 問題点 ゲーム自体の問題点 推奨スペックに見合わないゲーム実態 シームレスマップを謳っているが、平原なら平原のまま他エリアへ連結するなどの平面接続ができず、他エリアへの接続は狭い峠道を経て行うなんちゃってシームレス。その上重い。 背景オブジェクトなどの複製は一般的な技法ではあるが、本作ではブロック単位でそれを実行したため、とあるサイトでは「一見綺麗なんだけど実は延々とコピペばかりの背景が続くだけの手抜き」と評された。 べらぼうに高い推奨スペックを要求する割にはグラフィックが貧相という代物になった。 現行『XIV』のプロデューサーである吉田氏曰く、『XI』の非常に軽いローポリゴンのマップを使っても負荷が変わらなかったというとんでもない欠陥を抱えていたという(*2)。 MMOによくあるアクションのひとつであるジャンプが無いため、ちょっとした段差や越えられそうな植物や柵を越せず、小石ですら壁として立ちふさがる。移動は『XI』と同様に遅い。 移動魔法・テレポは最初から使えるものの、消費エネルギーであるアニマの回復が遅いため、1日1回の使用が限度。結局プレイヤーは徒歩を選ばざるを得なかった。チョコボその他の移動手段は実装されず。 発売前には「マスクされた遊びきれないほどの膨大なクエストとコンテンツが用意されています」と開発者が語ったが、実態は貧弱そのもの。 「地質から星の運行まで精密に世界を設定している」と豪語された世界も、実際はコピペだらけで無駄に広いだけ、と大きな失望を買った。 そもそも新生以降にはただの経験値稼ぎ用のミニコンテンツと化したギルドリーヴを主軸と語っていたあたり、当時のコンテンツ不足は推して知るべしではある。 ユーザーインターフェース(UI)の悪さ 同時に多数のコマンドウィンドウを開けない。階層を掘り進める構造でありながら、重要なコマンドや頻繁に使うコマンドが深層にあるなどデザインが悪い。 カスタマイズやショートカットもなく、マクロ作成が推奨される。マウス・キーボード操作よりもコントローラー操作を念頭に置いた結果であるらしいが、コントローラーでも辛い。 チャットログウィンドウの分割ができない。『XI』同様、各ログを1つのウィンドウに詰め込む仕様。 UIの動作が全体的に重い。カーソル移動も遅く、マウスの動きに追いついていない。 正式サービス後に若干修正されたが、α・β時代からの問題点の1つであり、その時点では海外のユーザーパッチで対応されていた。 カーソルが遅いのは、カーソルを1項目動かすたびに読み込みをするという極めて非効率な仕様のため。そのせいでレスポンスがどんどん遅くなり、やがてカーソルを1項目スライドするのに数秒~十数秒かかるようになる。PCへの負担も大きい。 この仕様は本作全体に共通しており、何をするにも読み込みが入り、レスポンスが悪い。不正防止か、別に目的があるのかは不明。 アイテムソートは未実装。α時代には存在したが、使用するとアイテム消失などのバグが発生するため機能が取り払われた。 正式サービス後にも戻らず、2010年12月のバージョンアップまでに何とかすると言われていたものの、結局修正されなかった。 メールなどの連絡手段が実装されず。チャットフィルターは『XI』初期以上に不完全。ユーザー検索もフレンドリストだけ。『XI』より大幅に劣化している。サービス開始時はPTメンバーのマップ表示もなかった。 戦闘の問題点 テンポはかなりもっさりしている。長期のプレイが前提のネトゲでテンポが悪いのは大きなマイナス要素。 1日の戦闘回数に制限が課せられる「疲労度システム」が導入されている。「キャラが疲れる」という設定で、疲労状態になると戦闘で修練値(経験値)が得られなくなる。 疲労度は2時間もプレイすれば一杯になり、解消にはリアルで24時間以上かかる。廃プレイ防止策とも考えられるが、とても不評。 なお、クエストにも1日の受注制限がある。成功失敗にかかわらず再受注までリアルで半日かかるという仕様(*3)。 ちなみにクエスト中にサーバー落ちやクライアント落ちがあると失敗判定になる。 戦闘時のバグが多い。 サービス開始時点よりは改善されたが、それでも「敵のHPが急に全回復する」「PC側のターゲットが突然外れて攻撃不能になるが、敵は一方的に攻撃してくる」「敵が消える」「見えない敵から攻撃を受ける」など多数。 戦闘中はゲージに蓄積されたポイントを消費して行動するシステムだが一気にゲージを消費するような攻撃などがなく、ゲージも瞬時に回復するため、単調にボタンを押すだけの作業戦闘になっていた。 剣などの近接武器を持つキャラは、敵に接近しないと攻撃できない。敵側も距離が近ければ近接攻撃をする。 しかし、敵と距離を取ろうとすると、ほとんどの敵が回避不可の遠距離攻撃をしてくる。敵の遠距離攻撃は相当な距離を取らないと避けられず、遠距離攻撃を持つキャラでも「距離を取る」という戦術に意味がない。 『XI』では、敵の近接攻撃は(見た目より範囲は広いものの)距離を取れば当たらず、マラソン戦術や魔法による足止め戦術などが存在した。 『XI』の連携に相当する「バトルレジメン」というシステムがあるが、これが開発者でさえ「我々もちょっとわからない」という代物。開発者が理解できないシステムを何故入れたのか。 ボタン連打しているだけで何とかなるといわれる戦闘バランスであり、工夫をして強敵を倒す喜びが薄い。また、ボタンを押さないと攻撃しないため、戦闘中はチャットによるパーティーメンバーとの意思疎通が難しい。 意思表示アイコンは導入されているものの、使い勝手はよくない。 NM(ノートリアスモンスター。固有の名前を持ち、通常より強い敵)でもないのに飛び抜けてレベルの高い敵が混じっているなど、敵配置がおかしい。 ちなみに『XI』同様戦う相手は動物ばかり。 「ライト層向け」であるはずの開発コンセプトとのギャップ ゲーム開始時にチュートリアルがない。また、世界観やシステム上の固有名詞が頻出するが、それらを事前に説明してくれるヘルプやサポートは存在しない。海外レビューでも「徹底して説明不足、不親切」と評された。 わかり難いと評判の『XIII』ですら、本編では語らずともオートクリップで一応の説明はされていた。 もっともシナリオが進行するにつれ自然に理解できる構成になっているのが普通だが。 UIの仕様上、マクロを作成しないとかなり遊びづらいが、実装されているマクロの紹介や説明はゲーム中にも公式ページにも存在しない。 マクロ作成はいわゆるライトユーザーなどにはハードルが高く、知識のあるプレイヤーでなければガイドでもない限り作成は難しい。 その他の不評点 ゲーム開始直後から世界中を移動できるが、マップが狭く1日で世界を回ってしまう事も可能。RPGとしてはあまりに物足りない。 ちなみに、未開放エリアは「戦争中」であるという設定で立ち入れない。プレイヤーの設定は傭兵だったはずだが…。 クエスト内容は似たような代わり映えしないものばかり。インプオンライン。 装備品はどれもこれもほぼ全て同じ性能。しかも色が違う水増しばかり。 装備品は耐久度制であり、使用回数ではなく時間経過で消耗する。これは下着にも適用されたが、当初は下着を交換できない不具合があった(後日修正された)。 ジョブは好きな時に変更できるが、対応した装備が必要。ジョブチェンジ時に装備品は全て外れる仕様で、スムーズな再装着にはマクロがほぼ必須。 全てのジョブを満遍なく使わせるようにデザインされており、自由なジョブチェンジが可能とはいえ、特定のジョブだけを極めるプレイなどは難しい。 キャラ成長は能力値に対してポイントを割り振る仕様だが、レベルに応じて能力値の上限が決まっている。そのため、特定の能力に特化したキャラ作成が不可能。割り振りさせる意味が薄い。 アイテム合成が面倒。素材がやたらと細分化されており、必要数も多い。また、他職の上位レベル合成素材が低レベルアイテムに必要であるなど、ストレスを感じさせる仕様。 さらに無駄な作業が多く、それらを避けられない。合成レシピは記録できるが上限あり。 競売(オークションハウス)に相当するシステムがない。個人商店であるバザーは存在するが、あまり使いやすいものではない。 当初、開発陣からは「競売は絶対に導入しない」とアナウンスされていたが、プレイヤーズアンケートでは「追加して欲しいコンテンツ」の2番目に「競売所」が挙げられ、導入の検討はされていた。 初期にはバザー街でエリアサーチするとなぜかリテイナー(代理販売NPC)を含む数が表示されたこともあり、人口水増し疑惑がかけられている。 強烈な経済格差 他の問題点の調査に力を入れすぎた為か、効率的な金策を長期間放置していた。そのため、金策を繰り返した一部のユーザーの所持金が天井知らずになり、経済的な問題が出てきた。 更には金銭の回収手段が不完全なまま金策手段自体を削除した為、絶対的な経済格差が生まれてしまった。「ジンバブエのようだ」と表現するユーザーも。 ただし生産職のランク上げに伴う慢性的な供給過剰や、そもそも買うものが無いといった事情により不都合はないともとれた。 防御が「盾備」、目薬が「光明薬」、やまびこ薬が「喧騒薬」、チョコボが「馬鳥」、日本では現在あまり使われない「食指・示指(人差し指の事)」表現等の名称変更。 中国人プレイヤーに合わせたとの説もあるが日本人プレイヤーにとっては意味不明でしかないうえ、中国でも「チョコボは陆行鸟(陸行鳥)じゃないのか」と指摘される有様(陆行鸟をGoogle翻訳にかけてみると判る)。 ちなみに中国語で防御は日本語と同じ表記で[防御 fáng yù]。つまり使われているのはどこの国の言語でもなく本作の造語である。 後に用語が修正されたと思ったら、チョコボでなくチョコポという誤字となっていた。他にもポイスなど同様の誤字もある(後に「ポ聖言語」と呼ばれるように)。これは日本語ローカライズを中国・韓国の会社に外注した際に見られる誤訳の典型例の1つであり、「日本語の不得手な外国人スタッフに任せきった結果」「中国の会社に丸投げした」などの憶測を呼んでいる。 ただし、そもそもこれは誤植ではなく「ルイカ教漢」というフォントを使用したことによる単なる文字潰れだとも言われている(*4)。 無味乾燥なメインクエスト ギャザラーやクラフターも立派な職業の一つという位置付けのために、非戦闘職でもメインクエストを進めることができた。これによりメインクエスト上で強大な敵と戦うといったことが全く無く、交渉というミニゲームで話を進めていくという極めて盛り上がりに欠ける内容となっており、戦闘が必要な場面では相棒と呼ばれるNPCや、救世詩盟(新生以降にも登場するヤ・シュトラ、サンクレッド、イダ、パパリモ)が戦うのをただ眺めるだけで、プレイヤーは徹底して傍観者であることを強いられるといった始末だった。 吉田氏はこの点を重く受け止め、ファイナルファンタジーは世界を救う冒険であってほしいという観点のもとにギャザラー、クラフターはメインジョブではなくなりますと謝罪の文章を添えてまでメインシナリオの改革に注力することになった。 開始都市が初期クラスと紐づけられていなかった 例えば剣術士でリムサ・ロミンサでスタートした場合、ギルドのクラスクエストを受けるためには船に乗って遠くウルダハまで徒歩で向かわなければならなかった。道中の敵配置バランスも劣悪で、高レベルの敵に絡まれると命の危機に晒されるという状況が不興を買うことに。これにより新生以降は初期クラスで開始都市が決まるシステムとなった。 リムサ・ロミンサは未実装のギルドが2つもあり、お膝元の戦闘職が斧術士のみといった惨状でもあった。 ゲーム内容以前の問題点 ファイル数13万、フォルダ数1万以上という異常なクライアント構造(OSより遥かに多いファイル数)。 この為、インストール、アンインストール、プレイにかかるHDD負荷が他のソフトウェアの比ではない。 説明書が不親切。ゲームの操作やシステムに関することがおざなり。 しかし、料金徴収に関しては細かく書かれている。本末転倒である。 ちなみに、月額プレイ料金のほか、1stキャラ以降のキャラ作成には別途料金が必要。これは本作と『XI』を除くMMORPGではあまり見られない課金体系。 なお、1キャラ追加の料金は『XI』の3倍である30日間300円(税込315円〈当時〉)。 サーバーが極めて不安定で、特に発売当初はサーバー落ちが頻発していた。運営開発が「100万人でもOK」と宣伝していたサーバーであった筈が、実態は1,000人超で不安定になり、1500人超でダウンという代物だった。 当初はプレイヤーが任意にスタートサーバーを選択できるシステムだったが、上の問題の影響で、混雑サーバーにキャラ作成制限が掛けられ、推奨(=少人口の)サーバーへの誘導も行われた。 サーバー負荷軽減のため、「フィールド上のモンスター出現数を絞る」「リポップ時間を長くする」という方法も取られた。ツケはプレイヤーに回り、少ないMODの取り合い等が起きた。 バージョンアップ時にパソコンのクラッシュが頻発する点に至っては最早お話にならない。正式サービス後も、バージョンアップ後クライアントが動かないなどの問題がしばしば発生した。 評価点 使い回しが酷いのは確かだが、流石にスクウェア・エニックスだけあってグラフィックそのものは非常に綺麗。 ファミ通等で初めて画像を見たときはシリーズ毎度のことながらその美麗さに驚いた人が多い筈。 『XI』ではウィンドウのサイズだけ解像度で変わるものの配置を含め基本的に固定だったが、本作ではウインドウ周りやパラメーター表記の配置やサイズを好きに変えられる点。ここだけは『XI』より進歩している。 『FFT』『XII』などの吉田明彦氏が担当したイラストは評価が高い。 ララフェル、ミコッテなどキャラクターのモデリングやモーションも評価が高い(一部種族のモーションは賛否両論だが)。ちなみに何故か女性キャラの下着(レース)の描写が妙に細かい。水着姿も妙に好評。 各種族のデザインは『XI』と非常に似ており、『XI』のキャラに愛着があるプレイヤーなら受け入れやすい反面、『XI』と比べて本作の種族を酷評する者もいる。スタッフのインタビューによると「アバターはプレイヤーの分身と考えて種族的な共通点を残した」との事。 音楽がちゃんと付いている。『FF』シリーズとしては久々に植松伸夫氏が作曲を行っている。 特に公式HPではシリーズお馴染みの曲である「オープニング・テーマ」が盛大なアレンジをされて流れる。従来に比べかなりマニアックな作風になっているためか国内では1つ1つに賛否両論あるが、海外ではおおむね「場の雰囲気に合う」と好意的に受け止められている。ゲーム自体の出来が出来だけに「植松氏の経歴に傷をつけた」という意見も多いが。 ラノシアの疾風やザナラーンの黄昏といったフィールド曲は当時から好評であり、新生以降もメインクエストのイベントシーン等で使われるなど現在のプレイヤーにも印象を残している。 佐藤弥詠子氏(FF11でウィンダス関連やプロマシアミッション、後年にはヴァナ・ディールの星唄のシナリオも手掛けていたスタッフ)がローンチ当初からのシナリオ関係のプランナーを務めており、エオルゼアの星暦・霊災による重厚な世界観や超える力等の基本設定は最初から存在、一部は改変されつつも新生以降にも引き継がれ暁月のフィナーレまでの10年に渡る高評価ストーリーの礎となっている。 プロデューサーを引き継いだ吉田直樹氏が改革に着手した後に改善がみられていった。 『新生』以後において「第七霊災」と呼ばれる事件が1年かけて描かれ、ゲームの終了と世界の激動が連動する様子は、一定の評価を得ている。また、「霊災」のメカニズムが明らかになった昨今においては、ある種貴重とも捉えられる考察材料ともなっている。 基幹部分の致命的な不出来による劣悪なテンポで爽快感は乏しいものではあったが、蛮神討伐戦や旧のラスボス戦ともいえる月下の闘いでは新生以降の布石ともなるような派手なギミックを駆使した戦闘が繰り広げられるなど、ローンチ当初には考えられなかったようなバトルコンテンツが末期には実装されていた。 総評 問題山積での正式サービス開始には「α、βのテスターは何をやってたんだ!」との声も挙がっていたが、テスター達はテスト時すでに「このままではヤバい」「発売延期すべき」と声をあげ、テスト公式ページにもスレッドを立て、開発に正式サービスを延期しゲームのシェイプアップとビルドアップを図るべきと求めていた。 また、元来がα・βテストに参加している一部のユーザーの意見しか投稿出来ないという謎仕様であった為、フィードバックのしようがなかった事情もある(*5)。 結果として、テスターが報告したバグや不具合他はほとんど顧みられる事なく正式サービスは強行された。 またクローズトβ、オープンβ時期にはフィードバックそっちのけでデバッグ作業に入っていたという開発側の発言もあったため、結局正式サービス開始日程は最初から決定済みであった事が窺える。結果として、発売前の段階で最低限の水準を求められるレベルに持っていくために細部の手入れを行き届かせるという重要なプロセスがおざなりにされてしまった結果としか言えない内容での船出を余儀なくされてしまった。 大型MMOとはいえ、5年の歳月をかけてなお未完成という状況に終始し、なおかつそのままサービス開始を強行したスクエニのその姿勢は、企業がとるべき態度としてはあまりにも無責任であると言わざるを得ない。 貧弱なインターフェース、コンテンツの薄さなどの問題点も、『XI』の優れた実績を持つスクエニならクリアできていて当たり前と言って過言ではないはずである。 結局、待っていたのは自社の株価を大幅に下げるほどのユーザー離れ、スクエニと『FF』ブランドへの信頼崩壊、安く上げて高い利益を出すはずだった本作を再開発することによる壮大な「安物買いの銭失い」という、目も当てられない顛末であった。 本作は一般PCゲームのためKOTY考察外だっただけであり、冗談抜きで大賞クラス・「 10年に一度のクソゲー 」レベルの代物(*6)である。つまりFFブランド以前の問題である。PS3版も出ていたら大賞も十分狙えただろう。 他の10年級のクソゲーと決定的に違うのはFFシリーズという世界的に人気が高いゲームであったこと。 この作品は、四八ショック以後のKOTYなどで言われていた「ブランド品は質の上下あれど最低ラインは維持している、言わば腐っても鯛であるが故に伝説級のクソゲーにはなりえない」という風潮を完璧に破壊してしまったのである。 企業問題 + クリックで展開 「呪術士が一定の条件下で修練値を大量に得られるバグ」についての対応 公式でバグについての報告が行われるも、内容はバグの全面禁止、および呪術士バグを故意に行っていたユーザーの調査およびアカウント停止処分についてのみ。バグに対する謝罪は一切なく、プレイヤーの不評を買った。 また、バグ利用育成を行ったプレイヤーを知らせるようにという「密告」の推奨まで行う始末。当然だがプレイヤーにそんな義務も義理もない。 そもそもそのバグはβテスト時から報告されていた。にも拘らず、結局、修正はされなかった。 ヒストリー機能について 2010年11月1日のメンテナンスで、スクエニが運営する本作のプレイヤー検索サイトに「ヒストリー機能」(日時付きプレイ履歴などが表示される機能)が実装されたが、「非公開設定不可」という大問題を抱えていた。また、このサイトはアカウント非所持でも閲覧可能である。 当然ログイン履歴を知られたくないプレイヤーの活動を抑制することにつながり、過疎化に拍車を掛ける結果に。さらにスクエニが本作の広告塔として起用した漫画家や芸能人がほとんどログインしていない事実まで明らかになる。 α時代には本当の意味でパソコンクラッシュが発生 元々DirectXを何故かまともに機能させていない仕様だったせいもあるのだが、当時の本作はやたらPCに負荷をかける仕様であり、高スペックなPCでも相当な負担であった。 中にはスペックぎりぎりでのα参加ユーザーも居たのだが、ある時スクエニが本作のフレームレートを何故か突然2倍に上げPCクラッシュが続出。 fpsは後日戻したもののクラッシュしたPCへの補償はされず、この件に関する公式アナウンスもない。 メンテナンスやバージョンアップが日本のゴールデンタイム(19 00~24 00あたり)でも実行される、日本本国を軽視する運営態度に不信感を募らせるユーザーも多い。 『XI』では日本時間0時や2時からといった深夜メンテが普通だった。なお大概のMMOのメンテナンスは平日の昼間が一般的。 結果… 以上のようなお粗末な対応に対し、スクエニ側はまさかの有料ベータ宣言。この前代未聞の事態はすぐさま話題となり、当然ながらこのような発言をしたプロデューサーは左遷され、新プロデューサーである吉田直樹氏の手腕に注目が集まることになる。 当時のアップデートは、「プレイヤーのステータスを下げる」「敵を強くする」「スリップダメージを上げる」「修練値(経験値)を下げる」「必要修練値を急上昇させる」など下方修正ばかりで、プレイヤーの信頼を取り戻すには至らなかったが、評価点にある通り、クソゲーという評価を覆えせはしなかったものの、改善がなされていく。のちに吉田氏は「新生」を完全に立て直すという偉業を成し遂げた。 上記のような悪評からか、ピーク時には6万人いたユーザー数はどんどん減っていってしまった。 しかし、スクエニはこの事を隠蔽するためか、2ch・ネットゲーム実況板のゴールデンタイムにおける本作の総プレイ人口報告で平均25,000人である事が連日確認されていた頃、総ユーザー数を見られなくする処置をした。この措置以前、人口報告はゴールデンタイムはおろか週末でさえプレイヤーが増えない傾向である事がグラフによって視覚化されており、相当な危機感を持った模様である。 …だったのだが、2011年12月16日のバージョンアップで急遽ユーザーサーチ機能が復活した。これに伴い、ネトゲ実況板でのプレイ人口報告スレッドも再稼動したが、その結果、ゴールデンタイムのプレイ人口が12,000人を下回りつつあることが明らかとなった。隠蔽前より半減しており、右肩下がりでの減少は止まらなかった。「新生エオルゼア」の現在の盛況ぶり(*7)を知ってるユーザーから見ればまったく信じられないだろう。 その後の顛末 デスシリーズ コレクターズエディションのおまけ タンブラーが付いてくるのだが、「塩分を含むもの、固形物、炭酸飲料、牛乳、乳飲料、果汁等は入れないで下さい」と書かれている。市販されているプリントタンブラーでもそう書かれている物はあるし、そもそも使用上の注意としては妥当(*8)なものではあるが、流石に限定版でそのような物をつけるのは…。 実際に「コーヒー牛乳を入れたら化学反応が起きて泡をふいた」などの報告まであがる始末。しかも傷があるもの・ロゴが逆になっているもの・何か変な油がついたもの・カビの生えたもの(!?)まであるという有様。カビが生えたタンブラーの写真は有名で、驚いた人もいるだろう。 コレクターズエディション付属タンブラーのあまりの怪物ぶりに、ネット上で「魔獣デスタンブラー」というキャラクターが生みされるに至った。 その後、完全に裏目に出たヒストリー機能は「デスヒストリー」と呼ばれ、回復呪文ケアルのバグに関連した「デスケアル」、バザーイベントのサーバクラッシュ「デスバザー」、何日もログインできない「デスログイン」など、様々な「デスシリーズ」が名付けられた。 サービス開始からしばらくして行われた本作開発者急募の広告は「デスリクルート」と呼ばれた。その内容は「UI開発者募集」から「中国語のできる人材優遇」に始まってグラフィック以外ほとんどの職種を募集するものであった。 また、採用情報には「漠然とした制作意図から自分で設計を進められる人」「きちんとした日本語で文章が書ける方」「常識がきちんと持っている方(※原文ママ)」などの正気を疑われる文面が踊り、スクエニの人材枯渇を露呈する形となった。 しかも雇用形態はあろうことか正社員ではなく「契約社員」。偽装請負にあたる企業専属フリーランスとして雇用されるよりはマシとはいえ、それだけの能力を持っているのであれば既に他のゲーム会社に正社員として雇われているだろうし、有能なのにこんな雇用条件を飲むのはよっぽど社会そのものを知らないお人好ししかいないという意見が専らである。本気で直す気など更々ないと捉えられても仕方ない。 本作発売以降、幾度と無く開発者募集を出してきたスクエニだが、それは発売から1年以上経過しても継続したものであり、次々に新しい職種が募集されている。余程人が集まらなかったのだろうか。また、人材枯渇は社長が(有能な人材を人件費削減を名目に)リストラしすぎたせいという噂もあり、もし真実ならばまさに自業自得の結果だといえる。 PS3版関連 プレイステーション3版は当初2011年3月上旬発売予定であったが、PC版の失敗からかPS3版は社長命令で最初から作り直す事となり、『PS3版旧XIV』は幻となった。 この報告を聞いたソニーの関係者は真っ青になったらしい。開発現場の士気も落ち、その一方では「外部大物クリエイターの招聘を検討した」と噂されるなど、現場は混乱していることが語られた。 「サービスを一旦中止するべきでは?」という声も多かったが、以前『XIII』でPS3版『XIV』β参加券を同封してしまっているので、やめるにやめられない事情があった。 評判など Amazonでも取り扱いが終了し、現在はマーケットプレイスでのみの販売が続いている。一時は3,000円でおつりも来る状況であったが、下記の『新生XIV』の発表を受けてか後にいくらか盛り返した。 年末年始商戦では多くの本数が福袋行きとなった。福袋の中に本作ばかり3本も入っていた例もあるらしい(*9)。 コトブキヤ・ラジオ館ではスクエニオンリーの福袋を5,000円で発売。福袋にもかかわらず真っ黒な袋を使用していることが話題になり、前述のデスシリーズになぞらえデス福袋と呼ばれた。 ツクモ電機での本作推奨ビデオカードの説明POPには「FF14を窓から捨てると近所から不評を買うので止めましょう」という冗談にならない文句が書かれていた。 海外での評価は日本よりも更に辛辣。「植松伸夫の音楽以外褒めるところがない」とも言われ、その年のクソゲーランキングで『XIII』と共にランクイン、二冠達成を成し遂げた。 その音楽が収録されているサントラも何故か2枚組3,000円以内で売れる程度の内容を、1枚ずつ2,000円で販売する有様。 コレクターズエディション版データディスクを叩き割った者・消費者センターに訴えた女性・スクエニ本社に直接足を運んでソフトを返品しに行った男性など、あまりの商品未満の出来に憤慨し多種多様の抗議活動を行った人々も登場している。 ゲーム系サイトで投稿型の批評コーナーのあるところでは、時々変に高得点の批評が投稿され、全体の平均点の底上げをしている動きがみられる。しかも、投稿内容を読むと「VerUPで以前よりましになったので期待がもてる」「今後の成長に期待を込めて」など、ゲーム内容と無関係のものが多い。『新生』の現状を考えると的確ではあるのだが…。 公式に失敗作と認められた本作だが、発売から1年弱経ってファミ通にオススメのゲームとして掲載された。 発売当初に比べるとかなり改善の対策はされているものの、プレイヤー拠点の偏りによる一極集中化やそれによるアイテム関連の流通性の悪さから起因するゲーム内の経済問題など、その時点でも問題は多かった。 2022年4月に、テレビ朝日の番組「しくじり先生」で、スクウェア・エニックスの全面協力のもとで本作が2週連続に渡って取り上げられた。もはや完全に公式でもしくじったと認識されてしまっているのが改めてわかる。 なお、特別講師役(*10)として吉田直樹氏が出演している。「過去の成功体験が大きい≒だから同じ事をしよう(制作スタッフの硬直化)」「グラフィックにこだわるあまり手描きでテクスチャを描いていた。3ヶ月もかけてタンス、4ヶ月もかけて花瓶を作ったスタッフもいた。結果、容量をかなり食ってしまい重すぎてロクに動かない」「容量が重いために1画面30人までしか表示されない」「『とりあえず発売してアップデートしとけばいい』と発売を決行。結果、世界中から酷評の嵐」「強すぎる成功は逆に失敗への恐怖を産む。大きな成功にはとらわれず過去にして次の挑戦をする。でないと新しいものが生まれずボタンの掛け違いすらしてしまう」といったことを語っており、「ゲーム以外の仕事をしている人も心に留めて欲しい」と忠告してもいる。 こういった事もあり、『新生』発足時には「成功よりもまずは失った信頼を取り戻す」ことを重視しており、スクエニ側も重く受け止め開発へ踏み切ったと語っている。曰く「転び方も立て直しも派手」。現在もアップデートの度に反省会を開いており、お客様がいる限り「ひたすら努力が続く」覚悟を持つ事が必要だと語っている。 レギュラー出演者も「二世三世が会社潰すパターン」とぶっちゃけているほか、吉田氏が改めて本作の内容を吟味した結果、一万個以上の問題点が見つかったという。このwikiに書かれている問題点も取り上げられている。 あまりの酷評ぶりがかえって興味を持たれるのか、最近では新規プレイヤーから「旧XIVを遊んでみたい」という意見も出ている事が語られている。吉田氏曰く「僕にとっては悪夢」との事。もっともだ その他余談 スクエニ株が急落した後にようやく異例の社長謝罪。後日日本経済新聞(*11)に改めてスクエニ株急落の記事が載り、原因には『XIV』のせいとはっきり書かれた。 そして株急下降、利益大幅低下という現状に取締役の松田洋祐氏が「消費者の選別眼が厳しくなっており、売れるソフトとそうでないものの差が大きくなっている。消費者に選ばれる品質の作品の投入で巻き返す」と発言した。本作が商品として論外というだけであって、消費者の目が特別肥えていたわけではないのは言うまでもない。 本作発売前のスクエニパーティでは合成担当者が「合成中のチャットはムカつくので喋れなくした」と発言している。つまりそういう人たちが作成したということか。 2013年3月期決算ではスクエニ合併後史上初の赤字決算となり、言うまでもなく、銀行や大株主が激怒。株主総会で大株主と銀行団が当時のスクエニ社長を更迭する案を計画していたが、当時の社長は3月で突然の辞任発表。事実上の引責であり、最後に逃げたと酷評された。 「根性版」という通称は一見ネット上のスラングのようだが、実際は開発側で付けられた俗称。 「新生」への作り替えが決まった後はこの旧『XIV』は近い将来にサービス停止することを意味しており、作り直しである以上本作のソースは引き継げない。よって以降の旧版の改修、アップデートは残り短いサービス期間を終えれば無用の長物になるが、それでも現在のプレイヤーのためにちゃんと開発しよう、という引き締めの意味での名称だったという。 とはいえ、大抵のユーザーがこの名称を聞いて真っ先に連想してしまうことは「プレイヤーによほどの根性がなければプレイ継続できない」という負の意味であり、この名称が広まったことにはそういう意味でも妙にマッチしてしまったことも大きい。 PS3版『XIV』の発売の延期と前プロデューサーを更迭させるきっかけとなった。 後任となった吉田直樹氏は優れた手腕で後継作を立て直し、『FF』シリーズのプレイヤーから広く名を知られることとなった。 そして、シリーズナンバリング最新作『ファイナルファンタジーXVI』では吉田氏がプロデューサーを務めることとなる。 ノベライズ版が出版されている。作者は『ティアリングサーガ』や『XI』のノベライズも担当している「はせがわみやび」氏。 なお、悪評が祟ってのことか旧版のノベライズは1巻だけしか発売されなかった。 2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響により、本作と『XI』のサービスは2週間ほど停止状態となった。 スクエニのアーケードゲーム『LORD of VERMILION II』に参戦した。Re 2からは、オンライン対戦で『XIV』のカードを使うとランダムで本作のBGMが流れる仕様になった。 実はCMも存在していた。俳優の生田斗真氏が鎧衣装を身にまといヒューラン族として実演し、実写と合成の映像となっていた。インタビューでは生田ご本人は『V』からのファンであるようで、『XI』もプレイしていたとのこと。 2012年1月6日より課金開始。 現行版に3ヶ月以上課金すると新生『XIV』の料金が割り引きになるというレガシーキャンペーンが実施された。 このキャンペーンは2022年現在においても有効で、一部のストーリーが変化するといった特典も有している。また、「レガシーマーク」とよばれる印をつけることも可能で、本作からの継続プレイヤーが、新生から始めたプレイヤーに興味を持たれることも多々ある。 本作で散々ネタにされた「馬鳥」だが、後に『新生』にて「伝説の馬鳥」なるFATEが用意されるなど、自虐ネタとして扱われている。 新生『ファイナルファンタジーXIV』 2012年11月11日に現行版のサービスが終了。物語は新生エオルゼアへと引き継がれる。 そちらの評価もサービス開始当初は微妙なものだったが、アップデートを繰り返していく度に改善が進んでいき、追加ディスクも多く発売された現在となっては FFシリーズ最高峰のシナリオと評される など、 本作から完全に評価を逆転させた。 会社を傾かせた元凶が一転して、会社の生命線とも言える状態となったため、ある意味皮肉な状況ではある。
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東方フィルファンタジー交響楽団 サークル:時雨月横丁 Number Track Name Arranger Original Works Original Tune Length 01 全人類の為の緋想天 オル 東方緋想天 有頂天変 [-- --] 02 流し雛の為の円舞曲 オル 東方風神録 厄神様の通り道 [-- --] 03 亡き王女の為のセプテット オル 東方紅魔郷 亡き王女の為のセプテット [-- --] 04 紅楼 オル 東方紅魔郷 紅楼 [-- --] Ex 吹奏楽の為の『風祝』 オル 東方風神録 少女が見た日本の原風景 [-- --] 信仰は儚き人間の為に 詳細 東方project曲オーケストラアレンジCD。 コミックマーケット76(2009/8/15)にて頒布 イベント価格:300円 ショップ価格:なし レビュー 名前 コメント
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ファイナルファンタジーⅢ(にゃんこ兄貴)
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カイナッツォにアバゴーラはどうでしょうか。 -- (名無しさん) 2010-12-15 21 02 24 FF4のバルバリシアにエルフーンはどうでしょうか。ぼうふうでミールストームを再現できますし。 -- (名無しさん) 2010-12-21 09 43 53 FFIIIお願いしますm(_ _)m とりあえず考えてみましたが、 こういうので大丈夫でしょうか? ルーネス:ブースター アルクゥ:リーフィア レフィア:グレイシア イングス:ブラッキー サラ姫:エーフィ シド:フーディン デッシュ:サンダース エリア:シャワーズ アルス:ヤミカラス ドーガ:シャンデラ ウネ:ムシャーナ -- (名無しさん) 2011-01-24 21 51 51 ↓1~3追加しました。 作品の中身にはあまり詳しくないので、項目の位置などが気になりましたら詳しい方が自由に修正してください。 -- (管理人) 2011-01-25 02 30 26 FFⅥに登場した伝説の八竜を考えてみました。 特に問題がなければ追加させていただきたいのですがよろしいでしょうか? リザードン:レッドドラゴン 炎技中心、強化版意識なら命の珠必須 ギャラドス:ブルードラゴン 水技中心、ハートスワップ又はサイコシフトをものまねするとはもんを再現可能 ガブリアス:アースドラゴン 地震必須、重力が使えないのは残念 キュレム:フリーズドラゴン 氷技を中心に ボーマンダ:ストームドラゴン たつまきで大旋風、鋼の翼でウイングセーバー、リフストものまねで木の葉乱舞など レシラムorラティオス:ホーリードラゴン 前者はカラー重視、後者は技重視。ラティの場合ラスターパージでホーリー、自己再生でケアルガ(強化版)等 トロピウスorカイリューorゼクロム:イエロードラゴン 外見、カラー、技のどれを意識するかで候補が変わる ギラティナ:スカルドラゴン 状態異常技は必須 オマケでレックウザ:カイザードラゴン 八竜とは関係ないのですが、崩壊後復活した魔物繋がりでグライオン→デスゲイズもアリかもしれません。 フンババはちょっと思いつかないので保留とさせていただきます。 -- (名無しさん) 2011-01-25 14 53 58 ↓追加しました。 -- (管理人) 2011-01-25 20 40 35 FF6のロックにマニューラはどうでしょうか? 必須技は どろぼう(ぬすむ、ぶんどる) まもる(作中で「守る」と何度も言っていたから) でいかがでしょうか? -- (名無しさん) 2011-04-12 02 07 49 FF XIII のプレイヤーキャラを追加してみました。 修正や追加はご自由にお願い致します。 -- (名無しさん) 2011-05-17 00 30 28 ウォーリアオブライトにコバルオンはどうですか? -- (名無しさん) 2011-07-18 12 30 42 〈FFXIII〉 ルクシオorロゼリア セラ(ライトニングの妹) はどうでしょうか。 -- (名無しさん) 2011-08-05 02 04 21 FFXの召喚獣でようじんぼうとアニマとメーガス三姉妹がないのですが・・・・・ 確かメーガス三姉妹は蜂とてんとう虫とカマキリ(?)がモデルだったと思いますけど -- (名無しさん) 2011-08-28 23 54 55 XIII-2求む。 -- (名無しさん) 2012-02-02 15 30 23 <FFⅢ> プラスル:ポロム マイナン:パロム 理由は同じ双子で男女区別しやすく赤と青で表現したんだけど・・・・・・ -- (アルテマウェポン) 2012-02-12 15 32 40 FFⅥのセッツァーにデリバードわどうかと。(運ゲ的ないみで) -- (名無しさん) 2012-03-24 17 03 04 <FFⅥ> ルカリオorゾロアーク:ロック ユキメノコorグレイシアorクレセリア:セリス はどうでしょうか? -- (ユリス) 2012-06-16 10 36 38 ガブリアスとラムパルド(アースドラゴン)が重力を使えないなら、ものまねで重力をコピーするのはどうでしょうか? -- (キョーボちゃん) 2012-06-24 12 58 13 VIのケフカはミュウツーorバリヤードで。 前者はラスボスかつ人工魔導士で破壊神、後者は道化師なので。 -- (名無しさん) 2012-07-30 20 20 13 WoLにピカチュウはどうかな、と。 両者共に作品の代表的なイメージ&電気=光&ピカチュウの耳がツノに見えるので。 -- (名無しさん) 2012-08-14 17 25 22 <FFIV> リディアには(敢えて)ドレディアはどうでしょうか? 髪が緑、花の髪飾り、炎が苦手(後に克服するが)という共通点があり、 ドレディアとリディアの名前が何となく似ているので。それに、紙耐久だし。 問題は、黒魔法や召喚魔法ですが……。 ちなみに、前の方が書いているパロムとポロムはFFIVです(キリ -- (名無しさん) 2012-08-21 00 52 56 草案 FFⅴ エーフィ:レナ グレイシア:ファリス この二人は姉妹なのでブイズで統一 テラキオン:ガラフ トゲチック:クルル シュバルゴ:ギルガメッシュ 鎧つながり -- (ユリス) 2012-08-21 16 35 18 VIIIの風神&雷神はトルネロス&ボルトロスで。 -- (名無しさん) 2012-08-28 20 21 42 ものまねで重力をコピーすること、気づくべきwwwwwwwwwww -- (ドドンガゲロゲロ) 2012-08-31 20 09 48 草案 エアガイツ 色違いグライオンor色違いドラピオン:三島拳 レッドスコルピオンから ルカリオ:鬼子母神陽子 色重視 サワムラー:ナジーム キックつながり アギルダー:佐助 忍者っぽいイメージ スピアー:李書文 グラエナ:狼少女ジョー カイリキー:ダッシャー猪場 コジョンド:韓大韓 テコンドーつながり フーディンorシンボラー:増田光司 前者は考古学者っぽいイメージ。後者は遺跡つながり コジョフー:クレア・アンドリュース エンテイ:ジャンゴ -- (ユリス) 2012-09-08 22 17 31 FINAL FANTASY TACTICS ADVANCEのマーシュの候補にクチートorバリヤードorニンフィアなんてどうでしょうか?これらを使ってくるジムリーダーもマーシュなので…。 -- (名無しさん) 2013-11-30 17 58 32 エクスデスの甲冑の中は木の化け物なのでオーロットがかなり近いかと -- (名無しさん) 2013-12-09 13 19 31 ゴルーグもアレクサンダー足りうると思うんだけど… どうだろうか -- (名無しさん) 2014-01-15 05 54 27 Ff8でももクロで統一なら ゼルをグレッグル アーヴァインをヒトカゲ、炎の渦必須 セルフィをピカチュウ キスティスをフシギダネ、つるのむち必須 リノアはプリンになりそうですが -- (名無しさん) 2014-03-18 21 01 48 ブロントさん→シュバルゴ 汚い忍者→アギルダー -- (名無しさん) 2014-05-22 16 40 13 ミスティッククエスト ルカリオorエルレイド ザッシュ ムクホークorサーナイト カレン ダイゲンキorゲッコウガ ロック メロエッタ フェイ メガバシャーモ レッド -- (シマダ) 2014-06-03 16 30 29 ゴルベーザはドクケイルでも合いそうです。タイプの組み合わせがどく・むし+名前の由来が毒虫「ゴルベーザの蝿」なので。 -- (ユリス) 2014-10-26 10 16 22 カイエンはヒゲオヤジ+リーフブレードは刀でダーテングが近いかも ストラゴスはいしつぶてとだいかいしょうが使えるためジーランス(がんせきふうじとなみのり)で -- (名無しさん) 2014-10-26 21 09 43 草案 FFⅫ ディアンシー:アーシェ エアームド♂:バルフレア ミミロップ♀:フラン ザングース♂:バッシュ -- (ユリス) 2014-10-27 07 33 10 キリキザンorゲンガー:シャドウ(FF6) -- (名無しさん) 2015-02-28 19 55 39 草案 ファイナルファンタジーⅩ デンチュラ:リュック どろぼう必須 ゴチルゼル:ルールー メガサーナイト:ユウナレスカ ユウナ(FF10)の召喚獣 ゼブライカ:イクシオン ファイナルファンタジーⅩ-2 ルカリオ:パイン 銀髪で瞳が赤いので -- (ユリス) 2015-02-28 22 01 35 FF15 カイリキー:ノクト プテラ:ステラ FFT エルレイド:ラムザ -- (名無しさん) 2015-03-01 13 59 15 草案 ファイナルファンタジーⅡ バシャーモ♂:フリオニール エーフィ♀:マリア マリルリ♂:ガイ 特性ちからもち推奨 レシラム:レオンハルト -- (ユリス) 2015-03-01 19 25 43 ファイナルファンタジー7 北条博士:ダークライorギギギアルorメタグロス 前者はすべての元凶なので 後者は、使い手のアクロマとすこし似ているので -- (名無しさん) 2015-05-06 10 53 56 草案 ファイナルファンタジー7 マニューラorニャオニクス:ケット・シー 2足歩行の黒猫なので -- (ユリス) 2015-05-07 08 30 03 草案 ファイナルファンタジー4 エルレイドorオクタン エッジ ファイナルファンタジー6 ブラッキーorキリキザンorハブネーク:シャドウ -- (名無しさん) 2015-06-25 21 16 32 ローザはマフォクシーでも合いそうです。 -- (ユリス) 2015-06-25 21 34 03 FF11のジョブ専用装備を基準にした草案 戦士 AF1:ペンドラー AF2:アーマルド AF3:色違いのオノノクス 挑発(ちょうはつ)、バーサク(つるぎのまい)、ディフェンダー(てっぺき、かたくなる)、アグレッサー(つめとぎ)、リタリエーション(のろい)、ウォリアーチャージ(ダブルニードル、ダブルチョップ)、トマホーク(うちおとす)、ブラッドレイジ(きあいだめ)、シールドマスタリー(カブトアーマー) リタリエーションはゴツゴツメット、ブラッドレイジはサンの実でも代用可。 モンク AF1:ゴウカザル AF2:エンブオー AF3:ヨノワールor色違いのレックウザor色違いのカイリキー(格闘を意識するなら) 百列拳(接触する連続技)、マーシャルアーツ(特性てつのこぶし)、かまえる(特性すてみ)、回避(かげぶんしん)、集中(つめとぎ)、チャクラ(なまける、めいそう)、気功弾(しんくうは、きあいだま、めざめるパワー)、猫足立ち(ねこだまし、ねこのて)、絶対カウンター(カウンター)、無想無念(くろいきり、パワートリック)、インピタス(きあいだめ、グロウパンチ) 白魔道士 AF1、AF2、AF3:ラッキーorハピナスorタブンネorプクリン(アニメではポケモンセンターの顔)orラティアス(白と赤、該当技習得) 女神の祝福(いやしのねがい)、女神の愛撫(マジックコート)、女神の聖域(ひかりのかべ)、女神の羽衣(しんぴのまもり) 黒魔道士 AF1:ドンカラス AF2:ムウマージ AF3:ヘルガーorダークライ(黒と白)orエンペルト(デザイン性重視) 赤魔道士 AF1:キリキザン AF2:ハッサム AF3:デオキシス シーフ AF1:ウツボットorヤナッキーorノクタスorカクレオン AF2:ドクロッグorマニューラ AF3:サマヨール 絶対回避(みきり)、盗む(どろぼう、ほしがる)、不意打ち(ふいうち)、とんずら(とんぼがえり)、だまし討ち(だましうち)、かすめとる(はたきおとす)、かくれる(ほごしょく、ミラータイプ、みがわり)、フェイント(フェイント、あまいかおり)、ぶんどる(アシッドボム等100%弱体効果付きの攻撃技)、まどわす(メロメロ、混乱技) ナイト AF1:サイドンorメガボスゴドラ AF2:ボスゴドラorレジスチル AF3:シュバルゴ インビンシブル(まもる)、センチネル(てっぺき)、フィールティ(しんぴのまもり) 暗黒騎士 AF1、AF2、AF3:ヘルガーorテラキオンor色違いのオノノクス ラストリゾート(インファイト等のステータス下降技)、暗黒(反動技)、ディアボリクアイ(つめとぎ)、レッドデリリアム(カウンター、きしかいせい) 獣使い AF1:エルフーン AF2:イノムーorマンムーorケンタロスorバッフロンorカイロス AF3:ヘルガーor色違いのカイロス あやつる(メロメロ、混乱技)、みやぶる(みやぶる、かぎわける)、かえれ(ほえる) 吟遊詩人 AF1、2:コロトック AF3:ランプラーor色違いのモロバレル 狩人 AF1:ウツボットorキノガッサorナッシー AF2:ガマゲロゲorラムパルド AF3:オノンドorメガヤンマ 狙い撃ち(つめとぎ)、乱れ撃ち(非接触の連続技)、陰縫い(とおせんぼう) 侍 AF1:ドサイドン AF2:ハブネーク AF3:ペンドラーorハッサムorキリキザンorワルビアルorシザリガー 心眼(みきり)、八双(つめとぎ、りゅうのまい) 忍者 AF1:ゼクロム AF2:ハッサムorズルズキンorクイタラン AF3:ゼクロムor色違いのゲンガー 竜騎士 AF1、AF2、AF3:フリージオorサナギラスorメタグロス アンゴン(うちおとす) 召喚士 AF1:チコリータorハスブレロorフライゴンorビリジオン AF2:マンタインorラグラージorガブリアスorフタチマル AF3:草のミノマダムorオノンドorダストダスorトルネロス マナシード(てだすけ) 青魔道士 AF1:ゴルバットorスイクンorディアルガorカラマネロ AF2:サザンドラorレントラー AF3:シャワーズorラティオスorタマンタorクマシュン コルセア AF1:ワルビアル AF2:サメハダーorハンテールorダイケンキ AF3:ハッサムorゾロアーク からくり士 AF1:マネネ AF2:ツボツボ AF3:サンダーorチャオブー 踊り子 AF1:ラフレシアorゾロアーク AF2:ルギアorチルタリスorアブソルorオニゴーリorパチリスorペラップ AF3:ゴチルゼルorゼブライカ ワルツ/サンバ/ステップ/ジグ(フラフラダンスや舞い技)、剣の舞い(つるぎのまい) 学者 AF1:メブキジカ AF2:ドサイドン AF3: 風水師 AF1:モロバレル AF2:ギガイアス 魔導剣士 AF1:エンペルト AF2:チャオブー -- (名無しさん) 2015-11-03 16 07 41 クジャはハッサムでも合いそうです。メガシンカでトランスを再現できるので。 -- (ユリス) 2015-11-03 18 06 35 ちょっと待って!ルールーとリュックが入ってないやん! -- (名無しさん) 2015-11-19 21 15 29 イフリートはフーパ(ときはなたれしすがた)でも合いそうです。 見た目が似ているので。 -- (ユリス) 2015-11-19 21 29 40 クラウドにピカチュウはどうだろうか? 両者共に大人気、知名度が高い、色合い、主人公ポジ、デビューした年が近いといった共通点が多いので。 -- (名無しさん) 2015-12-25 07 17 43 シド(Ⅶ)はスピアーでも合いそうです。ダブルニードルが槍っぽく見えるので。 -- (ユリス) 2015-12-25 22 11 15 FF7のセフィロスにカラマネロはどうでしょう。 イカ(最終形態のセーファセフィロス)繋がりで。 -- (名無しさん) 2016-01-03 21 23 42 FF7のヴィンセントはハッサムでも合いそうです。色が赤いうえに、飛び道具が使えるので。 -- (ユリス) 2016-01-04 08 38 26 エッジはアギルダーの方がいいと思うんだけど 見た目からしてストライクだと微妙だし、 アギルダーの方が防御が低い。 その他にもアギルダーの由来でギルの部分が盗むの方言 らしいから、エッジの盗むも再現できていいと思うよ みずしゅりけんも使えるし… -- (名無しさん) 2016-06-23 00 48 47 エクスデスはドサイドンではダメですか? プロテクターがエクスデスの鎧に似てる気が… どちらも、先生と呼ばれている。耐久が高い あとネオエクスデスはゼルネアス。 設定は死に関係するイベルタルの方が良いのが惜しいけど。 樹木の姿にゼルネアスがなる部分がエクスデスの真の姿に 似てると思った。 あと「宇宙の法則が乱れる」からのグランドクロスは ジオコントロール(こちらは地球だが)からのワンダールーム アルマゲストは聖属性をフェアリーと見なせばマジカルシャインで 再現できるはず -- (名無しさん) 2016-06-23 00 57 38 フースーヤはルージュラではないでしょうか? 魔力が高い=特攻が高いのとポケスタでルージュラの瀕死モーションが フースーヤと一緒(髪の毛だけがのこる) どちらも人もどきです -- (名無しさん) 2016-06-23 11 13 00 草案 ファイナルファンタジーⅣ ディアンシー:ルカ ピッピにんぎょう必携 アサナン:アーシュラ チラチーノ:レオノーラ ウルガモス:ゲッコウ ライボルト:ザンゲツ ミロカロス:イザヨイ ルナトーン:ツキノワ フーディン:ハル -- (ユリス) 2016-06-23 21 25 03 草案 リッチ:ダークライ(見た目重視) マリリス:バクーダORファイヤー クラーケン:オクタン ティアマット:サザンドラ -- (名無しさん) 2016-08-15 18 52 36 サンムーン発売後に ルナアーラ;フースーヤ -- (ユリス) 2016-08-16 21 07 25 セフィロスはミュウツーじゃね? -- (ひろ) 2016-10-05 02 08 52 サンムーン解禁後に トゲデマル:クラウド マケンカニ:バレット ラランテス:ティファ キュワワー:エアリス ルガルガン:レッドⅠⅢ ニャビー:ケットシー オドリドリ:ユフィ タイプ:ヌル:ヴィンセント キュウコン(アローラの姿):セフィロス -- (ユリス) 2016-10-06 19 36 26 ティーダにズルズキンも再現できそう 候補技はこわいかお、ローキック(スロウ)、ちょうはつ、いわなだれ(ディレイバスター) ビルドアップ(はげます)など -- (名無しさん) 2017-03-06 21 53 53 ファイナルファンタジーⅤのジョブの踊り子はオドリドリ(ふらふらスタイル)でも。服装がフラダンサーっぽいので。 -- (ユリス) 2017-03-10 23 29 52 リノアはカラマネロでもいいかも エスパー技に加えあくタイプで悪女っぷりを再現できるし -- (名無しさん) 2017-04-12 09 19 18 リディアはアママイコでも合いそうです。 -- (ユリス) 2017-04-14 22 14 32 セフィロスは、ガブリアス 最強のソルジャーなので -- (名無しさん) 2017-04-15 23 54 15 ゴゴはぺラップorルカリオ、おしおきメテオをねらうならカイリューあたり(流星群必須) -- (名無しさん) 2017-05-14 19 43 55 サンムーン ソルガレオ:スコール ケララッパ:リノア アマージョ:キスティス マッシブーン:ゼル ラランテス:セルフィ ジュナイパー:アーヴァイン ルガルガン(まよなかのすがた):サイファー -- (ユリス) 2017-05-14 21 18 17 リノアはジュナイパー 森のフクロウそのままなので -- (名無しさん) 2017-06-19 22 33 48 クイナがアクジキングっぽい。 -- (ユリス) 2017-06-20 19 49 24 ケフカは、ズガドーン -- (名無しさん) 2017-11-26 16 11 20 ネオエクスデスがネクロズマ(あかつきのつばさ)っぽい。 -- (ユリス) 2017-11-26 20 27 19 FFⅩⅤキャラなら… ノクティス カミツルギorギルガルド(前者は剣の舞、辻斬り等ファントムソードに近い技 が撃てる) プロンプト ヤナッキー(タネマシンガンが使える、デザインが似てる) イグニス アーマルド(黒いメガネ必須、ロクブラ必須、これしか思い付かなかった…) グラディオ シルヴァディ(使い手の名前はグラジオだから…) 似なかったらすみません… -- (ヒロ・ノクティス/紙遣い) 2018-02-06 18 30 14 草案 ファイナルファンタジーUSAミスティッククエスト キングドラ:ザッシュ とびはねる必須 オノンド:カレン アギルダー:ロック FFⅥのロックとは別人 チラチーノ:フェイ リザードン:レッド -- (ユリス) 2018-09-30 15 33 28 アローラペルシアン:皇帝 設定がどことなく似てるので -- (名無しさん) 2018-10-04 09 40 33 イグニスはマフォクシーでも良いかも。 フルネームの由来が炎+知識だし、ストーリーの後半で杖を持つし。 -- (名無しさん) 2018-11-11 06 24 07 草案 ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル トゲキッス:クラヴァット キリキザン:リルティ フーディン:ユーク マニューラ:セルキー ユクシー:ミオ ディアンシー:フィオナ 4つの種族の主人公のNNはご自由に -- (ユリス) 2018-11-11 12 46 47 Final FantasyⅡ バクガメス:リチャード ピンチのときに大爆発を使うと・・・ -- (名無しさん) 2018-11-28 22 26 57 FF2 ガイ:リングマ ムウマージ:マリア(紫繋がり) ゲンガー:レオンハルト(紫繋がり) ブリガロン:ヨーゼフ FF4 ゲッコウガ:エッジ(忍者繋がり) FF6 チコリータ:ティナ(緑繋がり) キモリ:ガウ(緑繋がり) FF13 チルタリス:ファング(色的) -- (名無しさん) 2019-02-16 18 35 21 草案 ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル・リング・オブ・フェイト マイナン:ユーリィ プラスルorチェリンボ:チェリンカ 後者は名前ネタ ライチュウ:ラトフ デデンネ:アーチェス フーディン:アルナハーレム ガチゴラス:コルカ王 ディアンシー:テテオ王女 -- (ユリス) 2019-02-17 16 29 08 FF7 アブソル:セフィロス 髪の色と剣の使い手 セーファセフィロスはメガアブソルも似合うかも 曲も片翼の天使ですし -- (名無しさん) 2019-10-19 12 52 13 ソードシールド解禁後 ネギガナイト:クラウド ザシアン:セフィロス アーマーガア:シド -- (ユリス) 2019-10-19 19 02 52 草案 FF8 インテレオン:アーヴァイン 双方とも8作品目に登場する上、長身細身のイケメンかつ射撃使いなので。 -- (名無しさん) 2020-01-31 19 46 12 ソードシールド バチンキー:ジタン ブリムオン:ビビ -- (ユリス) 2020-02-01 14 28 33 ルナアーラ ゼロムス -- (名無しさん) 2020-02-02 22 05 21 草案 ファイナルファンタジーⅩⅣ アマージョ:ナナモ・ウル・ナモ ライコウ:ラウバーン・アルディン ザシアン:カヌ・エ・センナ ザマゼンダ:ラオ・オ・センナ ミロカロス:メルウィブ・ブルーフィスウィン ファイナルファンタジーⅩⅤ カラカラorジャノビー:ノクティス・ルシス・チェラム 前者は母を亡くしたので ラティアス:ルナフレーナ・ノックス・フルーレ ガメノデス:イグニス・スキエンティア -- (ユリス) 2020-04-19 17 32 48 メレシー:エーコ -- (名無しさん) 2020-09-17 14 35 51 ソードシールド ヤドラン(ガラルのすがた):バレット ワタシラガ:エアリス パルスワン:レッドⅩⅢ -- (ユリス) 2020-09-18 20 41 10 ジャラランガ:リチャード 竜騎士(ドラゴンタイプ)+脳筋(格闘タイプ) -- (名無しさん) 2020-10-28 22 49 12 草案 ファイナルファンタジーⅥ コータス:魔列車 -- (ユリス) 2020-10-30 21 21 15 草案 ファイナルファンタジーX リングマ:ティーダ 格闘家なので 色違いリングマ:ユウナ ティーダとは対 -- (ハ!) 2021-01-16 15 03 26 草案 一般モンスター ダルマッカ:グランガラン -- (ユリス) 2021-01-16 18 06 44 ファイナルファンタジーIV ゲンガーorドククラゲで ゼロムス(クリスタルを使った後)を再現するなら、 ゲンガーは通常よりむしろ、 メガゲンガーorキョダイマックスゲンガーがいいかもしれませんよ。 -- (名無しさん) 2021-01-18 18 37 08 ファイナルファンタジーXでのティーダとユウナはリングマで。 -- (ハ!) 2021-01-20 16 19 24 色違いリングマ:ユウナレスカ -- (ハ!) 2021-01-31 12 40 45 草案 一般モンスター デオキシス:ロストナンバー -- (ユリス) 2021-01-31 14 09 54 草案 Final FantasyⅥ ゾロアーク:ケフカ レオ将軍戦で幻影を見せたので -- (名無しさん) 2021-04-12 21 39 16 草案 Final FantasyⅥ レントラー:レオ将軍 ゾロアーク:ケフカ -- (名無しさん) 2021-04-13 21 22 47 草案 ファイナルファンタジータクティクス フーディン:アルマ フリーザー(ガラルのすがた):ダイスダーグ 冷酷な性格から マニューラ:ザルバック ダークライ:ガフ アグリアス:アーマルド エルレイド:メスドラーマ ジュカイン:アルガス ネイティオ:オーラン ハクリュー→フェローチェ:レーゼ -- (ユリス) 2021-04-18 18 49 57 草案 Final FantasyⅥ ヤトウモリ:ロック レントラーorズルズキン:レオ将軍 後者は髪型から ゾロアーク:ケフカ 幻影を見せるし皇帝に変装していたので+あくタイプ -- (名無しさん) 2021-04-27 21 00 06 草案 一般モンスター ポッタイシ:キキキアチョ -- (ユリス) 2021-05-01 14 17 53 マニューラ:ユフィ -- (名無しさん) 2021-08-31 21 17 51 ルールー:サーナイト 髪型やロングドレスがそっくりなので -- (名無しさん) 2021-10-24 09 52 43 ユフィ レパルダス(横取り必須) クラウド リングマ -- (名無しさん) 2022-04-12 15 26 43 草案 ファイナルファンタジーⅣ キルリア:セオドア セシルの息子→彼の進化前 チャーレム:アーシュラ ウルガモス:ゲッコウ ゲッコウガ:イザヨイ ゼラオラ:ザンゲツ テッカニン:ツキノワ ロコン(アローラのすがた):レオノーラ ブリムオン:クオレ -- (ユリス) 2022-04-16 18 19 22 ウーラオス(いちげきのかた):マッシュ ウーラオス(れんげきのかた):ヤン -- (名無しさん) 2022-05-25 18 25 24 ソルガレオ オメガ ルナアーラ 神竜 -- (名無しさん) 2022-11-27 15 37 42 ビビ ピカチュウ 中の人繋がり。 ワッカ:イッカネズミ レベル53で専用を覚える→53位(全FF大投票より。) 全て鋼技を覚えない→機械嫌い -- (名無しさん) 2023-05-14 19 32 29 FF7 レノ ミュウツー スマブラfor 、spでの声優繋がり -- (名無しさん) 2024-05-01 22 13 55
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前の夜へ トップへ 次の夜へ 概要 "天国"と"ファンタジー"をテーマに作られた章。この章でなんとなく製作者は敵の出現時間が遅すぎると察した。新敵のヘヴンちゃんは兵士蜂光同様降臨ボスの亜種だが、このシリーズは割とそういった敵も多い。 ステージ 第1ステージ 天界へ誘う扉 天使ブッタやダテメガネル、ルーパールーパーやテバムラサキホネツバメなどで構成されたステージ。波動や毒撃で前線が削られたその隙に天使ブッタがガッツリ前へ進んでくるという厄介な構成だ。 第2ステージ 冥府の政府 墓手花子を筆頭に、トロリンチョやクマンケンなどが登場するステージ。クマンケンが出るまで時間がかかるため、本編のように小型の対ゾンビキャラを多めに連れて行き、墓手花子をはめ倒そう。 第3ステージ 多すぎるメルヘン 大量発生する小型の取り巻きの後ろから、兵士蜂光がチクチク攻撃してくるステージ。スリラーズの地中移動やインフェルにょろの死亡烈波もあって、思ったよりも兵士蜂光に近づきづらいが、波動がよく効く。 元ネタ... 一つのメルヘン(中原中也氏の詩) 第4ステージ 神と七人の野次馬 天使ドーヴエルをボスとし、それぞれ属性の異なる7体の取り巻きが順番に湧いてくるステージ。資金源もあまりなく時間がかかると思っていたが、本編では見事にカリファに3パンされている。恐ろしや。 元ネタ... 白雪姫と七人の小人(童話) 第5ステージ パルジファルの三面鏡 開始と同時にカオル君系統3種、次に師匠系統3種、さらにたっちゃん系統3種が登場するステージ。出現時間があまりにも遅かったせいか、出現時間が半分に修正された。制作者が特に時間調整の難しさを感じたステージ。 元ネタ... パルジファル(楽劇) 第6ステージ 妖精オーガの絶頂 ヘヴンちゃんの初登場ステージ。”夢堕ち 超極ムズ”のリメイクでもあるが、超棘獣ナマケモルガだけでなくイノエンジェルも出現する。本来は天使ゴンザレスもいたのだが、多分本編のままでちょうどいい。 本編 前の夜へ トップへ 次の夜へ
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真実が紡ぐ歴史 帝都とは違う湿気を含んだ大気に思わず頬を撫でた。 そして、目の前の苔むした建物を見た。蔦で覆われ、注意深く見なければ人工物だとは思えない石造りの建物。 「では、行こうか」 一瞬のうちに場所を移動する魔法などあっただろうか。 イザークは知識を探るが思い当たらず、コーディネーターとやらの能力に顔を顰めた。 ドクター・クルーゼの後をついて、蔦を手で払いのけて建物の中に入っていく。ひんやりとした壁に手を這わせ細い通路を抜けた先、イザークの目に入ったもの。 なんだ、ここは? 「君には知っておいて貰った方がいいと思ってね」 「ここは・・・!?」 伽藍とした空間では岩肌がむき出しになり、建物の一部が大きく抉られていた。 壁は壊され、天井から床から根こそぎごっそりなくなっている。 「種石があった場所だ」 種石!? この状態は、誰かが持ち出したのか。だとしたら、一体誰が。まさか・・・。 「今はすっかり、連邦に持っていかれてしまったがな」 「連邦も種石の研究をしていると・・・いや、当然だな」 それは予想してしかるべきであって、今更驚くべき事柄ではない。この異端のコーディネーターが見せたいものは別にあるのだと、イザークは瓦礫とかした空間を見渡す。地肌が露出した床に、崩れた壁や天井が散らばり、無残にも荒らされた遺跡。 民俗学に造詣が深いイザークにはこの光景は目も当てられぬものであった。 詳しく調査すればどれだけの事が明らかになっただろう。種石を安置していた稀有な遺跡として、歴史に大きく貢献しただろうに。開戦の事は別として、臍を咬む思いだった。 「奴らは、戦争に利用するだけしか脳がないのか」 辛うじて残った奥の壁だけが空しい。 「おかげで、君に見せたいものを残してくれたよ」 瓦礫の山を歩き出すドクターの後ろを歩く。不思議な文様や文字が刻まれた瓦礫を見るに付け、イザークは眉を顰め舌打ちする。奥の壁にも同じように文字が刻まれていた。 「読めるかね」 「ふん」 扉らしきものにびっしりと文字が刻まれている。 イザークは直接はその文字を知らなくても、遥か昔の古代文字だと言う事は分かった。崩れた瓦礫からおおよその年代を探って、現在発見されている文字を当てはめる。 だが、それ以上に、文末に刻まれた模様に見覚えがあった。 「覇王の刻印・・・!?」 「ほほう」 と言う事は、これはグレン王が書き記したものなのか・・・。 イザークは顔を上げ文頭へと視線を投げる。 種石を求める者よ 真実を手にする覚悟あるなら この扉を押して奥へ進むがよい その力の意味と使い方を知るであろう 種石を求める者よ 真実を手に入れるならば シード弾ける時 蒼穹への門が開かれん 覇王ジョージ・グレン 「流石は殿下。博識であらせられる」 ドクターが感嘆するのを一瞥して、考え込む。 文言が意味する所は簡単である。だが、具体的に何がどうなのかと言う点はさっぱり見えてこない。この奥へと進むしかないのだろうが、それにはイザークは些か躊躇する。 いや、危険も何も今更ではないか。 現にここにはドクターと自分の2人しおらず、何か魂胆があれば今までに何度でもチャンスはあった。 「とにかく、奥へ進めばよいのだろう」 扉へと手を触れる。 触れたと思った。 硬い石造りの扉の表面に波紋が広がり、いきなり視界が切り替わる。自分は動いていないのに、扉が後へと移動したかのようだった。 「凝った仕掛けだ。俺は種石を持っていないのだがな」 「そこは大目に見てくれ」 続く部屋はずっと小さな部屋で、側面の壁にぎっしりと彫られた文字があった。 微妙に行や列が曲がっている所を見ると、誰かが自力で掘ったものらしい。くせのある古代文字が延々と綴られている。 「今度は何・・・だ・・・」 試しに目に入った文字を解読していく。 はじめは怪訝な表情で読み進め、ぶつぶつと独り言が混じる。 次第に文字をなぞる指先が震えて、解読する早さがどんどん早くなる。 記されていたのは、古代の王国の歴史。 歴史と言うよりは知っていることを書き記した昔語りに近い。 「これを記したのは覇王か」 所々に覇業が絡んでくる所を見ると、時代はジョージ・グレンが大陸の覇を成し遂げた時代。一介の小国の青年が大陸の数々の国を平定した原動力は、今まで種石だといわれていた。神から授けられた力によって大陸に平和をもたらした。 「罪悪感か、罪滅ぼしのつもりか、こんな事がーーー」 そう伝えられていた。 大筋では間違ってはいない。 けれど、ここに記されている王国を誰も知らないとはどう言う事だ。 「この部屋はどちらかと言えば、我らの空間なのでね」 最後の一行に記されている。 我が記憶が消される前に 我が友、我が戦友、彼らの国の歴史を記しておく。 「これが我らのやり方だ。存在そのものを消し去るのだよ」 忽然と全ての記録から消え去った国。 風化した人々の記憶からも、歴史書からも、存在そのものがきれいさっぱりなくなっていた。歴史や民俗学を専門にする自分が知らないのだから、ドクター・クルーゼの言う通りなのだ。 ここに記されたことは真実なのだと。 ジョージ・グレン王が成し遂げた大陸統一に隠された真実の歴史。 大陸が纏まる前に数あった国の中でも最大の国、最後までグレン王と争った大国の存在を、今では誰も知らない。 種石の力をもって、グレン王は覇を成し遂げた。 ただ、そう伝えられるのみの歴史の裏に、血で血を洗う壮絶な争いと、当時、歴史の紡ぎ手に抗った国の存在。 「貴様達はっ!!」 振り返ってドクター・クルーゼに一歩踏み出す。 振り上げた拳は、最後に覇王が書き記す手を止めたであろう壁に叩きつけた。 「だからこそ、私はここにいるのだよ」 彼らの調停とは、誤った歴史を根底から書き換える。 今までそこにあった国の、王の、国民の生き様をきれいさっぱり洗い流してしまう。 帝国の歴史も、そこに生きる民の毎日の喜怒哀楽も、涙一つ、消されてたまるものか。 中央で難題を前に頭を捻る官僚達、下町の幼児の鳴き声も、辺境で汗を拭う農夫もなかったことにされてしまう。奴らに見初められて命を落とした弟も、苦渋の決断を強いられた父や兄の想いさえ。 コーディネーターだと言う彼を睨みつける、イザークの瞳は鋭いほどの青い燐光を宿す。 瞬時に場所を移動し、記憶を操り、大陸中から一国の情報を消し去るほどの力を持つものがイザーク達の敵なのだ。 「帝国は絶対に負けるわけにはいかん」 握り締めたこぶしの中で爪が食い込む。 どこか負けなければいいのだと、軽く考えていた。 だが、これで絶対に負けられないのだと、絶望的な危機感が急き立てる。 遺跡の外に出れば、鬱陶しい大気さえ、手で払う余裕もない。 「君の部下は中々優秀だな」 目の前に小型の高速飛空艇が停まっていた。 中から出てきたのは、帝国第3軍副官のシホ。 「勝手に出歩かないで下さい、殿下」 「なぜ、ここが・・・」 シホはあっさりと種明かしをした。 「ギルバート殿下からお伺いしました」 「一言断っておいたほういいと思ってね」 「それで、何があった?」 ただ、居場所を押さえる為にシホが自らで向くことはない。イザークの問いかけに、シホは姿勢を正して報告用のプレートを構える。 「連邦軍の侵攻を確認しました」 飛空艇のブリッジで報告を受けるイザークは、連邦の領土を見下ろした。砂漠を挟んだコスモス連邦は大まかな所で帝国の風土は変わらない。 「7時の方向に敵影を発見」 タイミングが悪い。 ドクター・クルーゼはシホと入れ替わりに一足先に帝都に戻り、イザークはシホとともに前線の帝国軍を視察して戻る予定だった。低空を飛び、もう少しで連邦の領空を抜けようと言う所で、連邦の哨戒機に見つかってしまった。 こんな事なら、ドクターに付いて行けばよかったと思っても今更遅い。 「逃げ切れるか?」 「分かりません。単機なのか、それよりも国境沿いの方が問題でしょう」 今はまだ連邦の領空であるから、これから向かう連邦との国境沿いにむしろ大軍が控えており、哨戒機の連絡で網を張られているだろう。 「殿下。陸路を行きます」 前方の煙を吐く火山を避けて、山間に飛空艇を隠す。 製造元が分からないようにカモフラージュされているが、万が一のこともある。シホはある程度飛空艇から遠ざかると、自動操縦で飛空艇を火山湖に沈めた。 「足を手に入れねばならんな」 「この位置ですとオーブを抜けねばなりません」 地図を確認するシホはともかく、イザークは陸路を進む装備を何一つ持っていなかった。辛うじて腰に下げた軍用の剣で身を守ることはできるが、旅装束には程遠い。 「私が調達して参ります。しばしお待ちを」 一瞬でシホが姿を消す。 彼女の腕を信用しているが、イザークは自分だけがのんびり待っているわけにもいかず、手じかな草花でまず衣服を汚す。王宮で着ていた服のままでは襲ってくださいと言わんばかりだ。 流れる風が熱を持ったのが感じられ、腰の剣に手をかけた。 「厄介な事になったな」 取り囲む気配が複数。 冷静に数を探り、開いた手で魔法を唱えた。防御と白魔法の回復呪文を自らに掛ける。 「いつまで隠れているつもりだ」 言うが早いか、火を纏ったマジックアローが降り注いだ。 バサバサと鳥が森から飛び立ち、木の葉が舞い散る。 鬱蒼した森がざわざわと音を立てて風を遮る。動物達の音に混じって何かが高速で動く音に、シン達は馬の足を止めた。 「連邦軍だな」 崖下に隠れて一団をやり過ごす。 かなりの人数が森を駆け抜けて行ったが、狙いはラクス達ではないようだった。 「どうする?」 「行くしかない。二手に分かれよう」 「二手って、どうする気?」 キラが発案者のアレックスを問いかける。 問われたアレックスがミーアと頷き会って、森の様子を探る。 「俺達が囮になるから、その間にロドニアへ向かうんだ」 「おいおい、お前ら2人で大丈夫かよ」 アレックスとミーア。たった2人で逃げ切れるのか、ハイネの心配はもっともな事だったが、アレックスは事も無げに腰を上げる。 「元々俺達は空賊だ。心配はないさ」 「大丈夫よ、シン」 キュッと抱きしめられて、『しっかりしなさい』と注意された。アレックスにいたっては『ヘマするなよ』と頭をポンポン叩かれる。 2人はあっという間に森の中へと向かい、男達の声があちこちで聞こえた。足音や銃声が聞こえるたびに身体が硬くなるが、その音も徐々に遠ざかっていく。 耳を澄ましていたハイネとキラが、おもむろに立ち上がる。 「行くよ」 キラが道を切り開き、ハイネが後を守る。その中にあって、シンの位置はキラの後でラクスを守ることだった。剣を抜き、周囲を警戒しながら馬を進める。垂れ下がる蔦を切り、枝を打つ。慎重に馬を進め、幸運な事に連邦の兵士とは出くわさなかった。森の木々は徐々にまばらになり、一本の道に出た。 「警備兵だ・・・」 シンが気がついた時には、ハイネがその兵士の口を押さえて森の中へと引きずっている。短剣を米神に当てて、研究所のありかを吐き出させていた。ラクスが目を背けたが、昏倒した兵士を置いて馬を進める。道の先、木々の間に建物が見えた。 木々に迷彩シートで巧妙に隠された入り口。 「あれが研究所の入り口だね」 シン達は内部へ侵入するチャンスを待った。 しかし、囮となったアレックスとミーアは予想外に多い連邦軍に、今だ逃走を余儀なくされていた。沸いて出る連邦軍の中には、雑魚のように弱い兵士と中々の手繰を持った兵士が入り混じっている。 「妙ね・・・」 「ああ。誰かを追っているようだが、作戦にしてはあまりにちぐはぐだ」 連邦軍が翻弄されているのだろうが、数が多く、標的も逃げおおせてはいないと言ったところか。 「どうやら、標的はあちらの方角だわ」 耳を澄ましたミーアが呟く。 チラリとアレックスを横目で見るから、どうするのかと暗にアレックスに聞いているらしかった。連邦軍がシン達が逃げた方向とは反対に終結するなら、もはやアレックス達の役目も一先ず終わりである。 ここでシン達を追うか、それとも。 その時、森の木々からシードが立ち昇る。 何者かが魔法を使うのだ、広範囲に影響を及ぼす魔法を。 「やばいっ!」 慌てて防御の魔法を唱えるミーアとアレックス。 森の奥から吹き抜ける冷気を含んだ風が木々を凍らせていた。 「これはどうやら・・・わざわざ行くまでもなかったようだな」 一瞬にして冬景色となり、樹氷を纏って凍りついた森。 「でも、こっちに向かっているみたい」 「そいつはまずい」 同じように、難を逃れた連邦軍も退散を始めている。アレックス達は彼らを相手にしながら、徐々にこの魔法を放った主を恨み始めていた。容赦なく魔法を放ち、森全体を戦闘フィールドにして戦う大馬鹿者。 「これじゃ、敵も味方もないじゃないか」 「仕方ないじゃない。アタシ達だって似たようなものでしょ」 この森に味方の部隊はいないから、それを気に掛ける必要はない。 そんな戦い方に舌打ちして、連邦軍の兵士を殴り倒す。 「来るわ」 ミーアの咄嗟の一言からやや遅れて、強大なシードの流れをすぐそばに感じた。 アレックスはシードの流れの中心に視線をやって、そのエメラルドの瞳を目いっぱい見開くことになった。 森の濃密な大気を利用して、イザークは魔法で一掃する作戦に出ていた。仮にシホがここにいたとしても、十分に身を守る術を心得ている。とにかく数を減らさなければこの森から出られない。 シードが十分に集まったのを感じて、イザークはそれを解き放つ。 広域を氷結する魔法が自身を中心に放たれる。 白い氷の粒となったシードが吹雪となって森を抜ける。 木漏れ日に反射して、キラキラとオーロラ色に輝いた。 「ふん。連邦にも身を守れる奴がいるか」 凍りついた樹木の向こうに動く影があった。 それは、今までの連邦兵とは違って、ひどく場違いな格好をしていた。 一人はキャンベラで、もう一人は若い男。 晴れていく氷の世界で、イザークは一瞬、彼と目が合った。 まだ距離があって顔を判別できるはずがないのに、はっきりと見える。氷の霧のベールの向こうで見開かれる瞳は、記憶に残る色。 あれは。 ―――アスラン。 向こうもこちらを見つけたのか、驚いている。 他人の空似か。 もう7年前の記憶だ。 いや、俺がアイツを間違えるはずがない。 「お下がり下さい!」 2人の間に割り込んだ声とともに、降り注ぐ炎の矢とそれを打ち消す風の防御壁。 同時に上空から切り込んできた連邦の兵士の一撃をイザークは剣で受け止める。背後に隠れていた兵士の胴を貫いて、力任せに振り落とす。血飛沫とともにまた一人。 「滅殺っ!」 「邪魔するなよっ」 声を張り上げて突っ込んできた一人を、イザークはそのまま横凪に払って絶命させ、さらに横から迫る連邦兵を返す刀で切り上げる。 「ぐはっ」 ちっ、しぶとい。 明らかに致命傷となる傷を押して、血を吐きながら魔法を唱え始める。 しかし、身体が浮き上がった所で、連邦の兵士は横から来た衝撃に頭を撃ち抜かれていた。森の中を銃声が木霊して慌ててイザークは森の奥を探す。 表情の読めないエメラルドの瞳と、射抜くようなサファイアの瞳。 視線が合ったのは瞬きよりも短い時間で、求める姿はすぐに踵を返した。 一瞬の邂逅は終わりを告げる。 けれど、イザークはうっすらと笑みが浮かぶのを止められなかった。 ディアッカが言っていたのはこの事か。 シンが乗り込んでいるという飛空艇を操る空賊は、見目麗しいキャンベラをパートナーにしていると言う。 確かに似ている。 違うな。似ているわけではない、あれは、アスランだ。 「シホ、遅いぞ」 「申し訳ありません。少し手間取りました」 視線を戻せば、木々の向こうに気配は消えている。ここで深追いする必要はないと、当初の目的を思い出す。 「戻るぞ」 たどり着いた町で待っていた帝国の間者の手引きで無事連邦を脱したイザークは、国境沿いで防衛に当たる帝国軍の飛行戦艦の艦橋に上がる。侵攻して来た連邦の艦隊をなんなく沈めて考え込む。 折角、装備を換装した艦隊だったのだが、その実力を発揮する間もなかった。 「先方の所属は割れたか?」 「は、推測ですが、第5艦隊の一部ではないかと・・・」 「ジブリール理事か」 連邦は帝国とは違う国体だが、民主主義を謳うその内部は決して纏まりのあるものではない。連邦議会、安全保障理事会と数々の思惑が絡み合っているのは帝国と同じである。なまじ、民の合意を国の基本に上げているから動きが鈍い。 その中でジブリール理事はアズラエル理事とならぶタカ派で知られていた。 「この程度で侵攻してくるとは、何か隠し玉でもあったのか?」 もう少しであわや開戦となる事態に、連邦も帝国もこれ以上の動きを見せない。帝都からは帰還命令が出て、イザークは迎えに来たカガリの指揮する艦で帝都へと戻ることになる。 「間に合わなくて残念だったな」 「まだこれからです、殿下」 その通りだ。 まだ、何も始まっていないのだ。 イザークは、見えてきた帝都を前に硬く瞳を閉じる。 帝国の未来に立ちはだかっているあまりに大きな壁に、もう逃げられないのだと思う。 俺は、俺の為すべきことをするだけだ。 もうあの頃のように何も知らなかった自分ではない、そして、それは、お前も同じなのだろう? あの一瞬、目があった顔を思い出して。 「随分と、ましな顔になったじゃないか」 一人呟く。 カガリが怪訝そうな顔を寄せるのに、唇の端を上げて笑い返した。帝都でイザークを待っていたもの、それは、編成された大艦隊と、ギルバートのいる執務室への呼び出しであった。 兄と弟で、引けない一線の駆け引きが始まる。 「プラントの名を持つ者が先頭に立たずして、なんとする」 「まさに帝国の脅威。陛下身罷った今、我らが立つのは当然のことです」 執務室で集う帝国の重鎮達は、ギルバートとイザークのやり取りを固唾を呑んで見守っていた。事は帝国の総司令官を誰が勤めるかが焦点であった。 「しかし・・・ここは私が引き受けるが筋だと思うが?」 頷く議員達にとって、議会の採決権限を持つ独裁官は目の上のたんこぶであった。 「独裁官殿がお出になるには及びません」 イザークは何が何でも是を引き出さなければならなかった。 プラント帝国のために。 作戦中のレイを除いたフェイスマスターと議会の議員達を前に言い放つ。 組織された防衛艦隊は、各フェイスマスターが持つ艦隊をあわせれば、5個軍団はくだらない大編成となる。あわよくば、開戦を思いとどまらせたい帝国にとって、連邦に戦えばただではすまないぞと知らしめるに十分な数を揃えたつもりであった。 「ですが、帝国の舵取りは誰がなさるのです」 フェイス達が頷き、また、議員達が頷く。 邪魔者ではあるが、誰も本気で帝国の舵取りなどできないのだ。それだけの責務を背負う覚悟も、技量もない。 イザークは兄を出陣させるわけにはいかなかった。 何が何でも帝都に押し込めて、危険から遠ざけなければならない。ここで兄を失えば間違いなく、帝国が内部から瓦解する。それを防ぐ為に自分が最前線に出ると進言する。 「どうか、わたくしにその任を」 膝を折り、頭を垂れる。 臣下の礼を取った弟に、ギルバートは否を唱えることができなくなった。 自分が帝国の最高位にいるのだと言う事を暗に示してみせたのだ。頂点に立つものが帝都を離れて防衛戦に出ることは許されない。元老院なき今、機能不全の帝国議会を前にして国を取りまとめ、国政を導く責があるからだ。 皆の見ている前で、イザークの決意を無為にできない。 「イザーク・ジュール・プラント。そなたにこの度の防衛の、総司令官を任ずる」 ギルバートが立ち上がって、弟に手をかざす。 その瞬間から伝令が中央を走り回り、帝都に緊張が走る。 切れ者と名高い第二王子を頂いて、ついに帝国軍が動き出すのだ。 人が出払った執務室で、肘を突いて組んだ両手に頭をつける。 「イザークを頼む」 窓の外から帝都を見ていたドクター・クルーゼが溜息を付く。 「残念ながらそれは断られたよ」 「そうか」 肩の力が抜け、ドクターに肩を叩かれる。 「私は君の傍にいるさ。彼にそう頼まれているからな」 ギルバートは、総司令官の任を拝命して辞するイザークを思い出す。 少し歳の離れた弟は真っ向から正論を唱える学者肌の人間だった。それが何時頃か、自分と同じ権謀渦巻く舞台に立っていた。持ち前の負けん気と興味への貪欲さから、瞬く間に帝国の一翼を担うようになる。喜ばしく思う反面、その力を頼ってはならないとも思っていた。 それが、気がつけば当てにしている。 弟が戻って来るのは、この戦いに勝ってからになる。分の悪い、神を相手取ったこの戦で勝利を収めるまで、お互いに言葉を交わすこともないだろう。 改めて、自らが挑んだ途方もない道の是非を問いかける。 「やはり、行かせるべきではなかったな」 だが、我らは負けるわけにはいかんのだ。 大切なものを守るために。 緩衝地帯での小競り合いは連邦、帝国、双方に何の影響を与えなかったわけではなかった。帝国では侵攻を脅威と捕らえ、防衛の為の大艦隊が用意された。 一方、連邦では。 侵攻を指示したジブリール理事を笑う人物がロドニアに通信を繋げていた。 『全く・・・ダメダメですね』 片方の眉を上げて、皮肉な笑みを浮かべる。面と向かって叱責しない変わりに、随分と持って回った言い方をする。 『侵入者には逃げられ、侵攻はあえなく失敗とは。使えないものは用済みですよ? 私はね、馬鹿は嫌いなんですよ馬鹿は。種石の力とやら、使えるようになったという話ですから? ちゃんと成果を上げてくださいよ』 通信を背後で聞いているネオは、森の中で戦死した兵達を思い出す。種石の力を取り込む実験台にされ、まだ少年だったのに、一般兵に混じって戦場に借り出されて命を落とした。 「心得ております」 上司が深く頭を下げる姿を見つめる。 ジブリールが命令を下した、国境での実験兵器も失敗に終わったらしいと聞く。この研究所で生み出されたらしい兵器は、発動する前にあっけなく艦ごと沈んだらしい。 『もっとも、これで最終兵器にゴーサインを出しやすくなりましたけれどね』 所詮は捨て駒か・・・。 次は自分か、それとも、あの子達か。 ひどい言葉であの子達を縛る自分を棚に上げて、彼らがこんな戦争で命を落とさなければいいと願う。 『頼みましたよ』 「ハッ」 敬礼をするのに習って、通信が消えるまで手を下ろせなかった。 上司がしかめっ面で振り向いた途端、非常警報が鳴り響いた。 「思ったそばから、これだ」 やるせなさを奥に隠して、ネオは至急部隊を召集するように指示を出した。 戻る 次へ 一つの山場です。さあ、ここからが大変ですよ。
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